皆さん、こんにちは。東京コンサルティンググループメキシコ拠点の袖山です。

1. CONASAMIの決定プロセス── なぜ「今」が準備のタイミングか

12月決定でも「8〜10月にフレームが決まる」

時期 内容 意味
8〜9月 CONASAMI Dirección Técnicaが経済データ収集・分析開始 インフレ・生産性・購買力の基礎数値が固まる
10〜11月 使用者側・労働者側が非公式折衝を開始 「大体いくらになるか」の空気感が形成される
11月末 Dirección Técnicaがインフォルメ(技術報告書)をConsejo de Representantesに提出 数値の根拠が公式化される
12月第1〜2週 Consejo de Representantesが正式決定・DOF掲載 2026年は12月3日に決定・翌1月1日施行

(出所:LFT第570〜573条・CONASAMI「Incremento Salarios Mínimos 2026」DOF 2025年12月3日)

2027年は「高ベース×インフレ反転」という難しい交渉になる

2027年最低賃金の3シナリオ試算

シナリオ 根拠 日額 月額(30日) 年額(365日)
A:+7%(低位) インフレ率(4%)+生産性調整(3%) 337.09ペソ 10,112ペソ 122,988ペソ
B:+9%(中位) 2030年目標達成に必要な最低増加率 343.39ペソ 10,302ペソ 125,337ペソ
C:+12%(高位) 政府公式コミットメント(前年踏襲) 352.84ペソ 10,585ペソ 128,787ペソ

(出所:CONASAMI「Incremento a los Salarios Mínimos 2026」・SHCP「Pre-criterios de Política Económica 2027」・Calcu.mx予測分析 2026年8月)

まとめ

2. 最低賃金引き上げが「連動して動く」3つの実務コスト

連動コスト①:IMSS保険料(SBC引き上げ)

連動コスト②:INFONAVIT・RCV・SNF拠出額の変化

拠出項目 使用者負担率 従業員負担率
IMSS保険料(各種) 給与の約20〜25% 給与の約2〜3%
INFONAVIT 5% なし
RCV 5.15% 1.125%

(出所:LSS第25条・INFONAVIT法第29条・RCV規定)

連動コスト③:アギナルド・バカシオネスプレミウム・PTU計算ベースへの影響

3. 日系企業が今月中に完了させる4つの実務対応

① 最低賃金連動従業員の人数・ポジションを確認する

② 3シナリオの人件費インパクト試算を9月中に経営会議に提出する

試算例(最低賃金連動従業員50名の場合)

シナリオ 月額賃金増(1名あたり) 50名計・月額増加 年間増加(×12ヶ月)
A(+7%) +530ペソ/月 +26,500ペソ +318,000ペソ
B(+9%) +720ペソ/月 +36,000ペソ +432,000ペソ
C(+12%) +1,003ペソ/月 +50,150ペソ +601,800ペソ
※上記にIMSS・INFONAVIT・RCV等の使用者負担分(約30%上乗せ)を加算した「総人件費増加額」が実際のコストインパクトです。

③ 2027年度予算(9〜10月策定予定)に最低賃金引き上げを反映する

④ CONASAMI公式情報のモニタリング体制を設置する

第1章のまとめ 「決まってから動く」では2027年1月1日の施行に対応が間に合わない可能性があります。

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点 袖山