社員の皆さんに「責任感があるか?」と聞けば、
普通は「ある」と答えるかと思います。
しかし、多くの経営者のかたは「社員にもっと責任感をもってほしい」
と思われていることでしょう。
では、社員側が嘘をついているかというと・・・
決してそういうわけでも無いようです。
では、この”ある”というのは一体何に対してなのでしょうか?
私は、責任には2種類あると考えています。
一つは、“与えられる責任”。
責任と言うのは、普通は組織の中で役割とそれに応じた権限が
与えられて、そこから義務や責任という認識が生まれてきます。
責任がある、ない、という会話は、この領域の話になります。
もし責任を“与えられるもの”と定義すれば、ずっと
このジレンマが続くことになります。
では、もう一つの責任はというと・・・
与えられるものではなく、“自ら生み出す責任”があるのではないでしょうか。
責任というものは、会社などで社員として
与えられるものだけではなく、自らその範囲を
広げていくこともできます。
なぜなら、責任自体は目に見えない、“概念”ですので。
法律上は、経営者(雇用者)の責任、社員の責任、
といった明確な区分がありますが、自分で定義し
考えるだけであれば、いくらでも広げることは可能です。
どれだけの責任を生み出させるか。
この“生み出す”という発想になると、そもそも、
責任がある、ない、という議論にはなりません。
(自分がどこまでを責任範囲と考えているか、だけの
話ですので。)
これはあくまで“考え方”であり、実際に責任が
あるかないかと言われれば、あることも、ないことも
あるでしょう。
しかし、総じて言えるのは、会社のトップに近づくにつれて
責任範囲は大きくなっていく、という事で、責任範囲が小さい
うちは組織の上には上がれない(昇進しない)という事です。
裏を返せば、社員のうちから“与えられた責任”以外の
“生み出す責任”によって自らの責任範囲を広げていくことが
自身の成長、そして将来の昇進に繋がっていく、ということを
教えてあげるのも、経営者の仕事だと思っています。
社員に対して、あるべき“責任”の考え方を共有し、
その結果として社員同士の責任範囲が被さっていくことで
社内で起こる問題に対する対処も大きく変わってきます。
タイトルにある“責任感のある社員”というのは、私は
“自分の職域を越えて責任範囲を広げられる人”の事を言い、
そういった人が結果的に組織内で成長し、成果をあげ、
やがては管理者となっていくのではないでしょうか。
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