「徹底する」を言語化する

こんにちは、株式会社東京コンサルティングファームの小林です。

 

物事を徹底するということは思っている以上に難しいものです。

 

例えば、ミスをなくすことを考えたときに、1回の仕事において潜在的に3%のミスの確率があると仮定すると、33回に1回の割合でミスが発生するということになります。

 

これを大きいと考えるか小さいと考えるかは人によると思いますが、ミスはゼロではないということは事実です。

つまり33社に同じサービスを提供した時に、1社に対しては何かしらの問題を起こしてしまう可能性があるということになります。

その1社にとっては、私たちを信頼して仕事を依頼していただいているわけで、残り32社で問題なく対応していたということはその1社にとっては関係ない話です。

 

さて、少し数学的な観点で考えてみると、1回あたり3%のミスの確率がある場合、10回同じ仕事をして、ミスが起こらない確率は何パーセントになるでしょうか?

 

1回あたりのミスしない確率は100%-3%=97%なので、97%の10乗、つまり約74%が、10回やってミスが1回も起こらない確率になります。

逆に言えばミスが発生するリスクが約4分の1になるということがわかります。

かなり大きいですよね。これが30回だとノーミスの確率は約40%にまで下がり、半分以上の確率で1回はミスが起きるということになります。

 

反復される回数が大きい仕事ほど、1回あたりに起こるエラーの確率を十分に下げていかなければ、いつか大きな問題が起こるということがわかると思います。

 

このように、繰り返し行われる仕事こそ、絶対にミスが起きないような仕組みを作ることを徹底していかなければなりません。

限りなくミスの確率をゼロにする、数学的に言うと極限を0にする努力が必要になるということです。

 

しかし、面白いもので、自分がその仕事をできる立場になると、そこへの意識づけが極端に弱くなってしまいます。

ミスが起きるのは、その大半が仕組み・決まりから外れた行動をしてしまったときです。

よって、反復的な業務ほど、マニュアルに忠実にやれる人間に任せていかなければなりません。

 

完璧な仕組みができている場合、逆に基本に忠実にやろうとする新人の方がミスなくやれることさえあります。

だからこそ、マニュアルは完全な素人であっても、それを読めばできるというレベルのものを目指す必要があるわけです。

そういう状況を作りこむというのが、冒頭に述べた徹底するということなのではないかと思います。

 

一方で反復されないような仕事については、仕組み化するということに対してはコストに対するメリットがそこまで大きくないという可能性があります。

 

ただし、ここで考える必要があるのは、その仕事は本当に本質的に非反復的な業務なのか?ということです。

属人化する仕事の多くは、この仕事はあまり他の人もやった経験もないし、今後発生する見込みもないから自分が片付けてしまおうという囚われから発生すると思います。

 

物事を徹底するというのは、徹底できたら起こるであろう最高な事のイメージを、現実に実現させることだと思います。

そして裏返すと、徹底できないと起こる最悪のリスクを絶対に起こさない仕組みを作り、運用していくこととも言えます。

 

以上、お読みいただきありがとうございます。


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株式会社東京コンサルティングファーム

小林 祐介

 

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