こんにちは
株式会社東京コンサルティングファームの小林です。
前回まで、ミドルマネジメントの仕組み化を4回に分けて述べてきました。
今回より最後のトップマネジメントの仕組み化について考えていきたいと思います。
トップマネジメンは、仕組みとして作るというのが一番難しい分野だと言えます。
正直に申し上げると、会社の中でも最も経験や知識、感性といったものが必要になるのがトップマネジメントだからです。
しかし、トップマネジメントを人に紐づけるのではなく、仕組みとして作り上げることができれば、多くの経営者が悩んでいる事業承継の問題も解決することができます。
仕組み化を考える前に、まずトップマネジメントの仕事が何かを考えてみたいと思います。
基本的に、トップマネジメントの仕事は、主に以下の3つであると言えます。
- 意思決定
- イノベーション
- リスクマネジメント
実はこれらはロワー・ミドルの各マネジメント層においても同じ役割を担っています。
但し、トップマネジメントの行う意思決定やイノベーション、リスクマネジメントのレベルは他2つの階層とは異なり、影響範囲や影響する時系列が長期になるものについてのものとなります。
そういうわけですので、トップマネジメントに求められる能力としては、全社的な観点で考えられる全体最適思考、長期的思考、クリティカルシンキング、クリエイティブシンキングなどがあります。
では、こうした能力を会社の中に半永久的に維持していくためには何が必要なのでしょうか?
それは、トップマネジメントの思考を部下の段階で教育する仕組みが必要になるということになります。
この教育ですが、いわゆる戦略論やマネジメント論といった経営理論は理論で必要ですが、それだけでは十分ではありません。
生の自社のビジネスを考えるうえでトップマネジメントとして必要な考え方をOJTで育成していくということがポイントになります。
当社の例を紹介すると、月に2回経営幹部が集まり、経営会議を行っています。
ここで、全体の経営方針の確認や、意思決定が必要な事案についてのディスカッション、全社的にどういう変化がこれから必要なのか?といったことを、全社的観点で話しあうという取り組みを行っています。
また、2回のうち1回は会社から離れた温泉地に行き1泊2日で行っており、日常の業務とは離れた環境で行うようにしています。
社内にいると、会議中であっても様々な飛び込みの事案が舞い込んでいき、本当の重要な経営について話し合うということができないからです。
このようにOJTでトップマネジメント思考を身に付けるということで、実践的な意思決定やトップとしての戦略立案、リーダーシップが身に付くわけです。
しかし、こうした実践をするためには、下準備として経営を体系的に学んでおくということも必要になります。
再び当社の例で申し上げると、経営戦略、組織戦略、マーケティング、経営者思考、財務戦略、経営哲学などの各分野から良書約50冊をピックアップして全社員に課題図書として読んでもらうという取り組みをしています。
- ピーター・ドラッカー
- マイケル・ポーター
- フィリップ・コトラー
- ジム・コリンズ
- スティーブン・コヴィー
- 松下幸之助
- 稲盛和夫
- 一倉定
といった経営史を代表する諸氏の書籍が課題図書になっています。
理論と実学を行き来することで、トップマネジメント能力を身に付けていくということです。
さて、ここまでトップマネジメントの役割とそれをどう身に付けていくのか?について述べてきました。
次回は、トップマネジメントの仕組み化についてもう少し具体的に踏み込んで考えていきたいと思います。
以上、お読みいただきありがとうございます。
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株式会社東京コンサルティングファーム
小林 祐介
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