悪い売上アップを避ける方法~生産性4倍メソッド~

こんにちは
東京コンサルティングファームの大橋 聖也です。

​2016年よりフィリピンに赴任し、ASEAN拠点を中心に日系企業の海外ビジネスの支援をさせて頂いてます。

 

【1分でわかる海外子会社マネジメントのイロハ】

No.9<悪い売上アップを避ける方法~生産性4倍メソッド~>

 

近年の海外子会社の役割は、機能型のコストダウンから地産地消型の収益アップへと変化しています。

組織の成長を図る指標を売上と考え、多くの企業が売上拡大を目指すあまり、「売上が増えれば、利益も増える」という錯覚から売上至上主義に陥り、増収減益(=悪い売上アップ)という結果を招いています。

 

「悪い売上アップ」とは、売上が伸びても利益が増えないことです。

「良い売上アップ」とは、売上も利益も増えていることです。

悪い売上アップの現象は特に、海外子会社において、売上アップに注力するあまり、利益率が低い又は低くなっている海外拠点が目立ちます。

前回の「経営数字の見方・活かし方」に続いて今回は、「生産性を4倍にするメソッド」について触れていきます。

これはトヨタ生産方式を確立した大野耐一氏が生み出し、企業再生で有名な日本電産や星野リゾート、そしてTCGでも海外子会社含む全ての拠点で実践してるメソッドになります。

 

それが、「多能工型人材の活用」になります。

 

生産性アップとは、究極的には、一人ひとりの時間当たりの付加価値が高くなることです。
そのためには、インプットである投入時間のムリ・ムダ・ムラを排除し、アウトプットである付加価値をより多く生み出すことが必要になります。

企業は、生産能力を上げるべく社員を採用し組織化を進める中で、効率化すべくタスクの分業化がされていきます。

 

しかし、そこには必ず、ポテンヒットと言わんばかりに無責任化された領域や、業務量や負荷が偏り、各人のムリ・ムダ・ムラが発生することになります。

特に海外では、現地スタッフが必ずジョブスクリプションで業務範囲(責任と役割)を限定化してきます。
(それ以外の業務は、給与を上げないとやらないと主張してくることも・・・)

 

また、海外では離職率も高く、人が入れ替わることを前提としたマネジメントが必要になります。

 

それを解決するのが「多能工化」であり、トヨタのジャスト・イン・タイムのコンセプトである、「必要な時に、必要な場所で、必要な人材」を実現する人材育成と仕組みとも言えます。

多能工とは、一人で一つの業務を行う単能工ではなく、一人で複数の業務を行うことを意味し、多能工型人材の活用とは、一人二役、更に一人三~四役を担える人材を教育・訓練する仕組みを意味します。

星野リゾートでは、業務を縦割りにするのではなく、フロント・客室・レストランサービス・調理補助を全員がこなす一人四役を実践しています。

この多能工型人材を育て、運用する仕組みが、「ジョブローテーション」になります。

 

多くの企業では人材の退職による消極的なジョブローテーションを不可避的に行わざる得ない状況から、生産性アップのための主体的なジョブローテーションを行う事で、人材育成や入れ替わりといった経営課題に対して組織と社員両者にとって様々なメリットを享受できます。

 

<組織のメリット>

  • 多能工型人材による生産性・利益率アップ
  • 人が辞めてもクオリティー維持や強化ができる
  • タイムシートでムリ・ムダ・ムラを発見し、デイリープランで行動改善を促す

 

<社員のメリット>

  • 仕事の幅を広げることで、転職ではなく社内で成長の機会を与える
  • チェッカー業務を担うことで管理者育成に繋がる
  • 責任範囲を広げ、昇進昇格のチャンスを与える

 

最後に、この制度の導入にあたって重要なことは、日頃からマネジメント側が社員に対して三つの規律を落し込めているかです。

 

➀与えたものが得たもの

何を得るかではなく、どれだけの価値を与えるかを考え、自分中心か相手中心に仕事を組み立てることで、結果として顧客や会社からの評価と働き甲斐が得られる。

②全て自分の問題

顧客や会社で起きてる問題を自分の問題と捉えることで、主体的に行動することにより多く価値を与えることの実践に繋がることで、結果としてリーダーシップ・問題解決力の向上と給与アップが得られる。

③自ら責任範囲を拡げよ

自分の責任を今の仕事で考えるのではなく、未来の仕事を起点に考えることで、マネジメントの視点に立って思考でき、他者との協力関係を築けることで、結果として昇進による自由裁量と給与アップが得られる。

 

これからの海外子会社では、従前のコストダウン重視の現場から付加価値重視のマネジメントへの転換が求められています。

 

「悪い売上アップ」という事態を避け、努力が儲けに繋がるよう、海外子会社マネジメントを任せられる現地の責任者は、生産性をテーマ選定し、リーダーシップを持って組織マネジメントに取り組むことが必須となります。

経営数字の見方・活かし方から人材育成まで、海外子会社マネジメントにお困りの方は、お気軽にご相談・ご連絡お待ちしております。

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