演出家・役者 どちらを目指させるべきか?

我々東京コンサルティンググループの行動指針、

”ドクトリン27”の中に、”演出家・役者”

という項目があります。

 

創業当時の経営者であれば、自分自身が一人二役、

三役、というか全ての役をこなさなければならず、

まさに”スーパーマン”の状態で経営を行っていく

必要があります。

 

しかし、これでは”経営者の時間”が制約条件となり

会社の成長がやがてはストップしてしまいます。

 

そのため、代わりに”社員”が役割を担っていくのですが

全ての社員に平等に役割を与える、全ての社員を舞台に

上げるというのも難しく、まず”選ぶ”事と、そのうえで

厳しい”練習”をさせる、という事も必要になってきます。

 

経営者がサポートしながら、社員側も厳しい練習を重ねると

”役者”としての腕は磨かれ、やがては舞台に上がり演じることは

出来るようになってくるのですが・・・

 

改めて思うのは、”演じる”ことよりもある意味では”企画”

の方が重要性としては高い、という点です。

 

もちろん、演者がいなければ舞台は成立しません。

しかし、舞台の”目的”や”成果”に着目をすれば

それを達成するための”演出(企画)”は絶対に

欠かせません。

 

これを経営に置き換えると、

経営の成果 = 戦略 × 実行

どんなに優れた戦略であっても、実行がされなければ

成果があがることはありません。

 

一方で、何も考えずしても実行をすると、一定の

成果は上がってしまうという事が起こります。

 

役者一人の失敗は、他の役者等でカバーはできても

そもそもの脚本、企画の失敗は役者の力だけでは

カバーすることは難しいです。

 

社員を育てる、ということは一義的には全員を

主役、つまりは名役者にしていくことではありますが

最後に残る”演出家”の役割も承継していかなければ

なりません。

 

“演じる側”と“演じさせる側”。

 

役者を育てる事、つまりは目先の成果をださせること

だけを考えるのではなく、長期的な将来の承継を見据え、

重要である企画、戦略といった”頭を使う”という部分を

承継させていく、という事も忘れてはいけないのだと思います。

 


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