たった一人でビジネスをしている個人事業主であれ、社員数何千、何万人の会社であれ、スタートは創業者の想いから始まり、その想いの実現のために活動を行っています。その想いが個人的な欲望なのか、それとも社会性のある志なのかの違いはあれ、私達はこれを経営理念と呼んでいます。
この意味において、経営理念無くビジネスをしていない会社は存在しないことになります。
もちろん、その理念に賛同する人が多ければ多いほど売上や利益は大きくなり、社員数も増え、組織は大きくなっていきますので、一般的に経営理念とは社会性のある志に沿った内容になっていくものです。
しかし、どうでしょう。実際に働いている社員全員が経営理念の存在を認識し、日々仕事に取り組んでいると自信を持って言える経営者の方は少ないのではないでしょうか。
実際、経営理念を伝えていく立場である幹部でさえ正しく答えられない、「日々経営理念の実現に向けて仕事ができていますか？」という質問に即答できない人を多くみてきました。
幹部の多くはその会社で何十年と勤務しており、毎朝のように理念の唱和をしているような方たちがほとんどです。新卒一年目の新人でありませんので、その会社に経営理念があることは知っています。ただ、正しく答えられないのです。
なぜでしょうか。
世の中には数えきれないほどルールや原則があります。ルールや原則とは、最も効率的・効果的に結果を導き出すために作られているものですが、私たちは日常の生活においてそれらほとんどの存在を認識して行動をしていません。もちろん、結果としてそれらのルールや原則に沿った行動になっていることもあります。しかし、無意識であるが故に、検証することも伝えることもできません。
自分の行動がそれらのルールや原則に沿ったものなのかを検証し、そして誰かに伝えるためにはその存在を意識的に認識する必要があります。
無意識であったものを意識的に認識するためには習慣化が欠かせませんが、通常この習慣化を個人の努力によって成し遂げようとして失敗をします。なぜならば、習慣化には正しい方法と間違った方法があり、ほとんどのケースで間違った方法と取ってしまうからです。
間違った方法は成果を出さないということだけではなく、取り組む以前よりも悪い結果になることすらあり得ます。正しい習慣化、ここをずらしてはいけません。
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株式会社東京コンサルティングファーム
黒岩 洋一
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