離職率の高さは、真の問題ではない

こんにちは、東京コンサルティングファームの大橋 聖也です。

​2016年よりフィリピンに赴任し、ASEAN拠点を中心に日系企業の海外ビジネスの支援をさせて頂いてます。

 

海外子会社マネジメントをする上で、発展途上国では「離職率が高い」ということでお悩みの企業も多いかと思います。

しかし、離職率の高さ自体は、目に見える結果ではありますが、表面的な問題でしかありません。

 

私が思うに、真の経営課題は2つあります。

一つ目の経営課題は、人が辞めることで業務クオリティーが下がるという点です。

 

私の経験上、現地ナショナルスタッフで3年以上残ってくれる人材は、せいぜい1~2割だと思います。

つまり、ロアーのオペレーションを担う人材は、3年周期で人がどんどん入れ替わり、

10人採用すれば、3年後にはわずか1人か2人しか残りません。

 

であれば、マネジメント側がすべきことは、人が辞めてもクオリティー問題が起きない仕組みを作ることです。

 

それを先延ばし属人化している組織では、成長する過程で必ず人がボトルネックになります。

 

そのため業務のオペレーションは、常に緊急性かつ重要性の高いテーマとして、継続的な改善と標準化を徹底することが大切になっていきます。

 

更に、これが進むと、「人が人を育てる」段階から、「仕組みが人を育てる」段階へステージアップしていき、

その結果、人が辞めてもクオリティー問題は起きないと同時に教育コストも下がっていきます。

 

 

二つ目の経営課題は、どういった人材が離職してるのかという点です。

 

どの業種業態や規模であっても、組織における人材は、優秀な社員2割・普通の社員6割・ダメな社員2割で構成されます。

 

転職すれば給与が間違いなく上がる、超売り手市場である東南アジアでは、どのゾーンの人達が辞めるリスクが高いのでしょうか。

 

それは、上位2割の優秀な人材が辞めるリスクがとても高いのです。

 

その理由は、成果が報われないこと。つまり、納得できる正当な評価がないからです。

 

優秀な人材ほど、自分の能力や成果をしっかりとフェアに評価してくる環境や職場を求めます。

 

一方で、東南アジアのインフレ率に合わせて、なんとなく一律5%~10%の昇給を決めている企業では、

社員一人ひとりの成果や努力をフェアに評価していない、平等という名の不平等ということが常態化してることが少なくありません。

 

したがって、ダメな社員ほど頑張らなくても評価され得をし、優秀な社員ほど頑張っても評価されず損をする状態が起きているのです。

 

本来、マネジメント側からすると、パフォーマンスの低いダメな社員を入れ替え、新陳代謝を高めることで組織を活性化していきたいのが本音ですが、

正当に評価をする基準がないことで、優秀な社員が辞めていき、ダメな社員2割が残ってしまうのです。

 

このような経営課題に対して、人が辞めても良い組織・優秀な人材が残る組織に必要なものは何か。

 

それが、人事評価制度になります。

 

 

海外子会社マネジメントにお困りの方は、お気軽にご相談・ご連絡お待ちしております。

 

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Tokyo Consulting Firm

ASEAN Regional Manager

大橋 聖也 (Seiya Ohashi)

 

~プロフィール~

2012年東京コンサルティンググループ入社。中小企業の発展、会計業界の生き残りを掛けて、社外CFOとして社長のビジョン実現をサポートする、ビジョナリーコンサルティングの立上げに奮闘。社長の抱えるお困り事を解決すべく経営理念の策定・経営会議のファシリテート・財務分析等の支援を行う。

2016年よりフィリピンに赴任し、日系企業のフィリピン法人設立、会計税務、人事労務などのワンストップサービスに従事。現在、マニラ・セブにて顧客数100社超、日本人4名・フィリピン会計士25名・フィリピン弁護士2名合わせてローカルスタッフ50名超まで事業を拡大中。

2018年よりフィリピン・ベトナムを中心としたASEAN拠点統括を兼務。

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