規律が自由をもたらす

経営において規律を徹底的に守らせて文化形成を図ることは、非常に重要です。

だだし、あまりにも細かく規律を作って統制型の組織にすると、規律を守ることが目的になってしまい、顧客ではなく上司を見て仕事をするようになり、本来の規律の目的である、顧客への価値提供を見失ってしまっては、本末転倒です。

 

あくまでも、規律は手段です。

そうならないように、自由闊達さを大切にし、社員の活力・創造性を引き出すために、規律を設けず自由に仕事をさせるという考え方は、根本的な考え方・判断基準を全社員が共有していることが前提になります。

 

そして、社員一人ひとりに高い能力が求められ、自ら律する力も必要になるので、一歩間違えば、単なる放任組織になって、組織として機能しなくなり、あっという間に崩壊してしまうリスクがあります。

 

規律がなければ組織は崩壊してしまいますが、多くのチャンスを与え主体的に行動する自由がなければ、新たな価値は創造できません。

 

規律と自由の関係は、犬の躾と一緒です。
飼い犬の散歩で、最初はリードをしなければ勝手にどこかへ行ってしまうので、自由を制限する必要があります。

しかし、徐々に飼い主の歩調に合わせ、リードを外しても、同じペースで歩くようになり、かけ声一つで、飼い主の意向を認識し、ともに行動できるようになると、飼い主は、飼い犬を信頼するので制限する必要がなくなり、自由を与えられます。

つまり、規律となる躾が徹底されるまでは、規律を重んじ、自律できるようになれば、自由を与えられるのです。

規律は、会社の根本的な考え方・判断基準ですが、それを言語化して、最初は強制的に実践させる必要がある。
それが習慣化され、そうなれば社員1人1人が自律します。

 

自律するとは、「守破離」の守を徹底することであり、価値提供の土台となる。
この基本がしっかりすると応用ができるので、破と離に行くことができるので、結果として自由になるのです。

全社員が自律している組織は規律が文化レベルになっていて、それが理想なので、規律を徹底する意味を、深く理解することが大切になります。

 


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