時間こそ価値!スピードが組織の質的変化を起こす

こんにちは、東京コンサルティングファームの大橋 聖也です。

​フィリピンで4年・ベトナムで2年の海外赴任を経験し、ASEAN拠点を中心に日系企業の海外子会社マネジメントの支援をさせて頂いてます。

 

【1分でわかる海外子会社マネジメントのイロハ】

No.11<時間こそ価値!スピードが組織の質的変化を起こす>

 

近年、海外子会社の役割は、コストダウンを目的とした機能型の製造拠点から収益アップを目的とした地産地消型の販売拠点へと変化しています。

 

海外子会社がコストセンターからプロフィットセンター化する上で、現地拠点長は本社の部門長から子会社社長の役割を担っていきます。

そこで、今後更に、業種問わず共通の経営課題となるのが、ローカルスタッフのマネジメントになります。

 

今回は、人のマネジメントという観点から、海外拠点長がすべき最も重要な仕事の一つである、「ミドルマネジメント」についてお話をしていきます。

 

ミドルマネジメントの役割は、突き詰めると生産性の向上です。

こと海外では、安価な人件費や若く豊富な人材といった労働市場でコストダウンを図っていますが、年々増える人件費上昇と共に労働コスト優位性は下がっていきます。

 

従って、今後の海外子会社マネジメントで課題となるのが、生産性の向上、つまりミドルマネジメントの強化となるわけです。

 

生産性とは、一言でいうと、「少ないINPUTで多くのOUTPUTを生み出すこと」です。

 

生産性を上げるために重要なことは、満たすべき基準やコントロールの在り方を検討し、目標設定することです。

 

私がお勧めするコントロールすべき基準は、全ての会社が共有して持つ有限的な経営資源である、「時間・スピード」です。

 

業務プロセスに標準時間を設定し、標準時間内で仕事をする、更には標準時間を短くし一層の生産性の向上によって成長している企業があります。

 

日本電産は、​“時間こそ価値”というDNAを持ち、倒産寸前の多くの赤字企業を買収し、圧倒的なスピードで再建を果たしています。

創業者の永守さんは自著で時間・スピードの重要性を述べています。

「日本電産はモーターメーカーとしては後発組で、創業当時は、実績も信用もない。もちろん人手もないし、設備もなければ資金もない。こんなないないずくめの会社が、大手の同業他社と競争して一つでも勝てるものはないかと考えた時に、思い浮かんだのが『時間』であった。1日24時間というのは、国内のどんな大企業でも、海外の企業であろうと条件はさえできれば、何とか勝負になるのではないかと考えた」

 

ソフトバンクでは、5つの行動指針の一つに、「スピード」を掲げています。

“1週間後の100%より3日後の7割”が大事と考え、早い行動は早い成果を生むことを重要視しています。

 

マクドナルドであれば、フロントスタッフのほとんどがアルバイトであるにも関わらず、注文されたら60秒以内に出すなど、スピード重視がマニュアルにも組み込まれています。

 

 

私が思うに、スピードを高めることで得られる4つのメリットがあります。

 

1,ゲーミフィケーション

時間を早めることで、ルーティンワークであっても、同じ作業の繰り返しの中でチャレンジすることで達成感を得ることができます。

 

2,プロセス変化を促す

時間を早めることで、現状のやり方では達成できないことを認識します。それが、やり方を変える行動改善に繋がります。

 

3,クオリティーアップ

時間を早めることで、上司や同僚がチェックする余裕時間を作ることでき、品質向上に繋がります。

 

4,顧客満足が上がる

顧客は、自社の商品・サービスの専門知識があるわけではない為、直接的に品質の検証はできません。その代わり、誰でも感じる価値基準として時間は認識できます。顧客が感じる付加価値は、スピードが大きな要因となっていることが多いのです。

 

 

次にスピードには、「早さ」と「速さ」の2種類があります。

 

「仕事が早い」というのは、ある時点や時期を基準として、仕事を終わらせる早さをいい、

「仕事が速い」というのは、仕事の各工程での作業スピードの速さを表します。

 

重要なのは、「仕事の早さ」を上げることにあります。

 

この2つは、「目的」と「手段」の関係であり、「仕事の速さ」は、「仕事の早さ」を実現するための手段の一つに過ぎないのです。

 

海外でよくある仕事の早さ(=スピード)を遅くなってしまうケースが、ローカルスタッフの仕事に対する消極的な“待ちの姿勢”です。

 

お客様や上司・他部署から情報や資料がこないので待っている、“Waiting Time”が仕事の「早さ」に大きな影響を与えます。

 

そしてこの待ちの姿勢は、自身の責任範囲の狭さが原因になります。

 

自分の作業をこなす「速さ」を自分の責任範囲と考えるか、仕事の成果に繋がる「早さ」まで自分の責任と考え、主体的に他者への協力関係・影響を発揮できるかがポイントになります。

 

特に、海外では、ジョブディスクリプションで自身の仕事(=責任範囲)を限定化する傾向が強くあり、これが自身の成長・組織の生産性を制限する要因となっています。

 

弊社では、このような社員の意識や行動変化を促し組織の生産性という課題解決するためのマネジメントシステムとして、人事評価制度の導入支援を行っています。

 

人材育成から組織作りまで、海外子会社マネジメントにお困りの方は、お気軽にご相談・ご連絡お待ちしております。


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