営業部門以外の評価は難しい?

こんにちは
東京コンサルティングファームの大橋 聖也です。

​2016年よりフィリピンに赴任し、ASEAN拠点を中心に日系企業の海外ビジネスの支援をさせて頂いてます。

 

【1分でわかる海外子会社マネジメントのイロハ】

No.7<営業部門以外の評価は難しい?>

 

海外子会社マネジメントでは、優秀な人材確保や離職率を問題視する企業も多いですが、そのような会社に共通して言えるのは、明確な人材育成ポリシー・価値基準を持っていないという事です。

今回は、「営業部門以外の評価の仕方」をご紹介します。

 

売上や受注数など定量化しやすく、かつ会社の業績に直結する営業部門の評価を重要視する一方で、営業以外の間接部門への評価は難しいという声や、評価自体を軽視しがちな会社も見受けられます。

実際に、海外子会社マネジメントに悩む企業様から「どのように営業部門以外の人材を評価したらよいのか」といったご質問を多く受けます。

また、「営業以外の人は不必要な人材か?」と問いに対しては、「営業だけで会社が回ることもなく、他部署の支えがあってこそ営業も機能している」といった回答が返ってきます。

 

間接部門の評価するには、以下の質問を問いかけるとお勧めします。

  • Q1.各部署や部門が担う役割・機能を果たす上で、どんな仕事が求められているのか?
  • Q2.最も優秀でこの人にはいてもらわないと困る、(または社外でもベンチマークとなる人材)という方は誰ですか?
    また、逆にこの人はもうちょっとだな、いまいちだな、という方は誰でしょうか?
  • Q3.できる社員といまいちな社員の差は、どこにあるのでしょうか?

これで、仕事の内容が洗い出すことで、何をして欲しいのかが明確になり、この差が行動改善目標となり、結果として会社が求める“できる人材育成”へと繋がります。

 

 

次に、間接部門に対しても、営業部門と同様に成果目標を設定することが重要です。

間接部門の仕事は、総じてルーチンワークに陥りやすく、絶えず改善を促し生産性を上げ仕組みが必要になるからです。

営業部門のように、売上に直結する仕事でなくても、全社売上・利益に貢献する部署や人材しているので、「業務改善の提案件数や全体の売上・利益予算」を加えることも効果的です。

 

逆に、分断してしまうと、営業部門は「とにかく数字を上げればいい、行動改善目標はいらない」と考え、一方で間接部門は「数字を上げるのは営業、自分たちには関係ない」という発想になってしまいます。

更に具体的な成果目標を持つことで間接部門の社員からも、経費削減・残業時間の短縮・新規顧客の獲得など様々な提案が上がってくるようになります。

 

中には、日頃から努力してる社員からは「こういうところが評価されていない、評価して欲しい」と主張があったりします。

その時には彼らと一緒に目標設計していきましょう。
むしろ社員が自ら評価して欲しい項目を宣言するので、それを一生懸命にやらないはずがありませんのでチャンスです。

こうして、彼らの責任範囲が拡がることで、一人二役、一人三役といった単能工型から多能工型人材へと育っていくと同時に、会社側も昇給昇格を通じて報いることが出来ます。

 

私自身もフィリピン・ベトナムでスタッフ80名程をマネジメントする際には、社員一人ひとりが提案を出す機会や場といった環境をつくること、
そして、提案を出してくれた人材をプロジェクトリーダーにすることで、全員参加型経営を推進しています。

おかげで、今では積極的に現地スタッフが問題点を提示し、解決策を考え、実行するような組織になっています。

なぜなら、彼らはそれが会社から期待されている仕事であると認識し、それが評価としてしっかり報われることを自覚しているからです。

 

今回、間接部門の評価の仕方について触れましたが、ポイントは人が辞めてしまう組織とは、フィリピン人・ベトナム人だから、発展途上国だからといった国籍や外部環境で決まるのではなく、会社のマネジメント如何によって決まるということです。

私自身も、自社の海外子会社では、毎日1時間の朝礼を通じて理念共有を図るだけでなく、お客様にはお約束事として自社の経営理念をまとめたクレドカードを渡し、社員に何を期待しどれだけ行動改善をできたかを評価する成長する組織マネジメントの導入支援しています。

 

海外子会社マネジメントにお困りの方は、お気軽にご相談・ご連絡お待ちしております。
今週もどうぞよろしくお願い致します。

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