セクハラに関する判例

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
東京コンサルティングファームの谷口で御座います。

今回はセクハラに関する判例をご紹介させて頂きます。

A氏はB社に2009年4月より、勤務を開始し、ビジネス開発事業部長として働いていたが、2012年2月に社内で起こした、規律のない行動に対しての再三の勧告を無視したという理由で、会社がこれ以上は風紀などが大きく乱れることを懸念し、解雇した。

<元従業員の主張>
今までの就業規則では、HQ従業員は9時~17時半までの労働(8.5時間)、しかしプラント勤務の従業員は8時~17時までの労働(9時間)と決められていた。これに対し、この差の30分は年間で124時間もの差になるとし、不公平な差別をやめ統一することを望んだ。もしくは、この30分に対して、残業代を支払うよう会社に求めた。

<会社の主張>
・プラント勤務者が9時間というのは間違いである。「自由に使えない時間は労働時間としてカウントしない」という労働法60A(9)に基づき、プラント勤務者の昼休憩は労働時間にカウントしていないからである。
・本社はクアラルンプールに位置しているため、車で帰宅しやすいよう、17時半までとしている。また、HQ従業員と同じでなければならないという根拠がない。
・現状、HQ従業員の一週間あたりの労働時間は42.5時間。プラント勤務者の一週間あたりの労働時間は、昼食時間を抜いて40時間である。

<判決と裁判所の見解>
組合の要求を却下する。
会社の主張の通り、HQ従業員とプラント勤務者の労働時間が同じではなければならないという根拠がない。
組合側が、労働時間を同じにするだけの正当な理由がなければいけない。一番重要なのは、労働法や、その他の労働協定に違反していないかということであり、今回は労働法の範囲内であるため、組合側の主張は受け入れられない。
また、労働協定には、「就業時間は、会社が必要だと判断した際には、労働組合との合意の上変更することがある」と記されている。

<判決のポイント>
理由無く、本社側・工場側の就業時間を変えることは、差別・不平等とみなされ訴えられることがございます。しかし、今回用のように、労働法の範囲内での改定であり、その就業時間の設定に正当な背景がある場合には、問題ございません。

以上となります。

ご不明な点がございましたら
いつでもお問い合わせ頂ければと存じます。

引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

東京コンサルティングファーム
谷口 翔悟

 

 

 

 

 

 

 

 

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