いつもお世話になっております。東京コンサルティングの早川でございます。数回の記事にわたり、買収や株式比率変更に伴う「株式譲渡」についてお話しております。今回は、株式譲渡証書について頂いたご質問をご紹介いたします。
<ご質問>
いよいよ株式譲渡手続きを行おうと思い、譲渡契約書のドラフトの段階まで来ました。日本の会社として、契約書とは別に、株式譲渡証書を作成することを前提に契約書を作成しているのですが、既存の株主が、譲渡証書は必要ないと言ってきます。本当にそうなのでしょうか?
<回答>
弊社としては作成された方が良いと考えております。コンプライアンスの面から申し上げますと、作成しなければなりません。会社法2007年第40号131条にて、証書を作成する義務が定められております。
ただし、インドネシアでは「義務ではあるが罰則はない」「義務ではあるが作成しなくても手続きが出来る」という例がよくあり、今回がまさにそのケースとなります。
証書を作成するのは公証人で、それを持って法務人権省への手続きを行うのは公証人ですが、
公証人によっては、証書がなくても手続きを進め、証書は必要ないとアドバイスする方もいらっしゃいます。通常、証書を作成する場合はそれだけ公証人費用が掛かりますので、悪気があってそのような事を言っているのではなく、手間や費用の面を考慮してのアドバイスであります。そのためお急ぎの方で、作成しないという選択を取られる方もいらっしゃいます。
作成しなかった場合の大きなリスクというものはございませんが、譲渡契約だけでなく、公証人という第三者に株式譲渡が認められた、という証明となりますので、作成されることを推奨いたします。
ご参考になれば幸いです。
東京コンサルティングファーム
早川 桃代
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