合弁契約時のポイント

法務

 インドネシアにおいては、製造・販社・コンサルティング以外の業態においては、ほぼ必ずローカルパートナーの選定が必要です。インドネシアでビジネスをしていると、時折合弁解消といったニュースがありますが、ローカルパートナー選定の成功こそがインドネシア進出においてまさにキーとなるともいうこともできます。

インドネシアに限ったことではありませんが、ローカルパートナーの選定にあたってはまず、積極的な理由づけが必要です。少なくとも、インドネシアにおいて、出資をしながら、経営に口を出さないというパートナーはまず存在しません。その意味で、パートナーを選んだ時点で必ず、経営上のある程度のリスクを背負うと考えた方がよいでしょう。

出資額の一部負担、マーケットシェア、取得困難な事業ライセンスを有しているといった理由と上記の経営上のリスクを天秤にかけて、果たして、本当に合弁契約を締結するべきかということも含めて本質的な議論をする必要があるといえます。特に、合弁を組む場合の条件については撤退の場合の話も含めて、最大限リスクヘッジしたうえでの決定が必要です。

合弁契約で典型的に決めておくのは下記のような事項です。

①出資額や出資割合、②株式譲渡制限の有無、③会社の設計や役員の選任権、④株主総会の決議事項・決議要件、⑤競業禁止(独占禁止法)といった典型的な会社防御の方法を固め、いつでもインドネシア合弁から撤退が可能な状況を作っておくことが会社の運営上、必要な観点です。

一方で合弁は、いってみればインドネシア事業において双方で一蓮托生になるわけですから、本当にこのパートナーでよいか、理想(会社のビジョン)を共有できるようなパートナーであるか、困難なビジネス環境において、助け合えるパートナーであるか、失敗しても後悔しないといえるか、を確認する必要があるといえるでしょう。

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