オムニバス法~長期休暇の付与について~

労務

こんにちは
PT TOKYO CONSULTINGの木村です。

本日は、頻繁にご質問いただきます長期休暇の付与について解説してきたいと思います。

 

Q.

インドネシア人のスタッフより6年以上働いた場合に、2ヶ月の休暇を会社が付与しなければならないという労働法があると言われました。就業規則には、特段このような記載はしておらず「長期休暇を付与することがある。」という記載のみあります。

これは、本当に長期休暇を付与しなければならないのでしょうか?

 

 

A.

長期休暇を付与しなければならないかどうかは、会社がいつ設立されているかに基づきます。

確かに、労働法79条(2) bには『同一の会社内における勤続期間が継続して 6 年間に達した労働者に対して、少なくとも2 か月間の長期休暇として、勤続7 年目と8 年目にそれぞれ1 か月ずつ実施するもので、当該の労働者は、この2 年間において年次休暇を取得する権利は与えられないが、勤続年数が6 年間に達することに本規定が適用されるものとする。」という記載がございます。

しかし、この適用については「(4)上記第2 項d に述べる長期休暇取得権は、特定の会社において就労している労働者に対してのみ適用する。」という記載がございます。

この特定の会社というのは、この労働法が施工される前にこのルールを運用していた会社とされており実務上は2003年以前に設立されている会社のみに適用されるということになります。

 

また、当該条文はオムニバス法による労働法の改正により削除されており今後はどの企業においても労働法の上では適用されません。注意点としましては、就業規則に該当の部分を引用し長期休暇を与えるという項目があると長期休暇を付与しなければならなくなりますので、オムニバス法による改正に合わせて就業規則の見直しを行うことをお勧めいたします。

 

※以下、第79条の変更内容となります。

  変更前 変更後
第79条 (1) 経営者は労働者に対して、休憩および休暇を与えなければならない。

(2) 上記第1 項に述べる休憩および休暇は、下記に挙げるものを含む。

a. 労働時間の間の休憩で、継続して 4 時間労働した後に少なくとも30分間とるものとし、この休憩時間は労働時間には数えないものとする。

b. 週休日として、1 週間に6 稼働日で週休日1 日とする場合と、5 稼働日で週休日2 日とする場合

c. 年次休暇として、労働者が継続して 12 か月就労した後に、少なくとも12 稼働日、および

d. 同一の会社内における勤続期間が継続して 6 年間に達した労働者に対して、少なくとも2 か月間の長期休暇として、勤続7 年目と8 年目にそれぞれ1 か月ずつ実施するもので、当該の労働者は、この2 年間において年次休暇を取得する権利は与えられないが、勤続年数が6 年間に達することに本規定が適用されるものとする。

(3) 上記第2 項c に述べる年次休暇の実施は、雇用契約、会社規則、労働協約の中で定めるものとする。

(4) 上記第2 項d に述べる長期休暇取得権は、特定の会社において就労している労働者に対してのみ適用する。

(5) 上記第4 項に述べる特定の会社については、大臣決定書により定める。

(1)経営者は以下を提供する必要があります。

a.休暇 : そして

b. 有給休暇。

(2)(1)のa.で言及されている休憩期間は、少なくとも以下をカバーする労働者に与えられなければならない。

a. 労働時間の間に休憩し、4時間連続して働いてから少なくとも30分、休憩時間には労働時間を含まない。そして

b. 週休日として、1 週間に6 稼働日で週休日1 日とする。

(3)労働者に与えられなければならない(1)bに記載の休暇は、労働者が12か月連続して働いてから少なくとも12営業日後の年次休暇です。

(4)(3)項に規定の年次休暇の実施は、労働協約、会社規則、または集団労働協定で規制されるものとする。

(5)(1)項、(2)項、および(3)項に記載の休暇および休暇に加えて、企業は、労働協定、会社規則、または集団労働協定に規定されている延長休暇を提供することができます。

 

 

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木村 真也(きむら しんや)

若い時期から多くの経験を積み、人間力、国際力を高めようとする当社の考えに共感し入社。
入社後はインドネシアの法人設立の業務に携わり、労務法務及び会計税務の面でお客様のサポートを行ってきた。
日本の良さを世界に広めると共に、アジアに進出している日系企業の経営者に貢献し、アジアの発展への貢献を目指す。

 

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