こんにちは。
PT. Tokyo Consulting(東京コンサルティンググループ)です。
今回は、インドネシアの為替レートについて記載致します。
インドネシアはアジア通貨危機のときに自国通貨の危機的状況を経験しており、
21世紀に入ってからは着実に外貨準備高を増やし、為替の安定に備えられるようになりつつあります。
長期的に資金を必要とする国家レベルでのインフラ整備をしているため、
長期の対外債務は比較的多いですが、外貨準備高比率は年々下がっています。
インドネシア中央銀行は、2009年から政策金利を段階的に6%台にまで引き下げてきました。
国際収支の赤字拡大に伴い、2012年初頭よりルピア安で推移していますが、
金利引上げは2013年初頭においても見送られました。
しかし、行き過ぎたルピア安には、インドネシア中央銀行は為替市場の介入を断固として行うと表明しています。
資源価格の低迷による輸出額の急減と、インフラ整備の資金捻出のための
各種補助金の削減による生活必需品の実質的な値上げに伴い
インドネシアの通貨ルピーの為替市場での価値は大きく落ち込みました。
2015年の年初時点で1ドル = 1万2500ルピアだった対ドルレートは、
米利上げ観測の高まりを受けて8月24日に1ドル = 1万4000ルピア台に急落します。
さらに9月29日までに1ドル = 1万4700ルピア前後に下げたためにインドネシア中央銀行は
9月30日に為替安定政策パッケージを発表・実施したことにより、
ルピア安の流れは一服しましたが、10月20日時点で1ドル = 1万3600ルピア前後と、
1998年のアジア通貨危機以来の安値圏にとどまっていることには変わりありません。
通貨安の進行により輸入産業には大きな悪影響が見られ、恩恵を受けるはずの輸出産業は
品目が限られていることや現地調達率が高くないことから、
通貨安のメリットを享受している企業はごく限られています。
このためインドネシア国内の経済活動も大きく落ち込むこととなり、
2015年を通したGDP成長率は目安である5%を割り込み、4%台にとどまるものと見られています。
以上、ご参考になれば幸いです。
PT. Tokyo Consulting
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