インドネシア個人所得税の落とし穴

税務

 

こんにちは。
PT. Tokyo Consultingの金目でございます。

 

本日は、ひやっとするタイトルで始まっています本記事ですが、
皆さんインドネシアの個人所得税について正しく申告納税されていらっしゃいますでしょうか?
コンサル会社やローカルの経理・日本の親会社へすべてお任せしきっていませんか?
本記事では、赴任されたばかりの方が陥りやすい落とし穴についてお知らせいたします。

 

まず、個人所得税の申告に重要になってくるのは何でしょうか。
それはNPWPと呼ばれる、納税者番号になります。
こちらの納税者番号を個人で取得して初めて、PPh21としての個人所得税が申告できます。

PPh21とは個人所得税のことを指します。毎月、給与から控除致しますが、
ここで落とし穴となるのが、NPWPを取得する前に現地側で給与を発生させた場合です。

NPWPを取得していないということは、税務署が納税者として認められていないということになります。
よって、NPWPを取得せずにインドネシアにて給与を発生させた場合は、PPh21の控除ではなく、PPh26での控除及び申告が必要になります。

 

PPh26とは国外サービスに対する源泉税で、20%になります。
また、PPh21は超過累進となりますので、税率は下記の通りになります。

年間所得 5,000 万ルピア以下:5%
年間所得 5,000 万ルピア超 2 億 5,000 万ルピア以下:15%
年間所得 2 億 5,000 万ルピア超 5 億ルピア以下:25%
年間所得 5 億ルピア超:30%

 

よって、取るべき手段としては2通り考えられます。
1.NPWP取得前に、現地側給与を発生させたい場合、月次の記帳にて「給与」を発生させるが、申告はPPh26にて20%源泉の上申告する
2.NPWP取得前には、現地側給与を発生させず、NPWPが取得できた月から、PPh21として申告する

 

保守的に考えて、2.のNPWPを取得してから現地側給与を発生することを推奨いたします。
システムのエラー等が無ければ、KITAS取得後にNPWP取得プロセスを開始し、1か月ほどで税務署から発行される予定です。

 

また、駐在員の方が帰任する際には、必ずNPWPを税務署へ返納し、個人の税務調査が始まります。その際に、NPWP取得前の給与についても調査される場合があり、過剰な追徴を渇せられるケースがあります。
未申告または申告遅延の場合:100,000 Rp
また、ペナルティは本税×2%×経過月となっております。

赴任される予定がある方は、いつから現地側給与を発生させるのか吟味が必要です。

 

以上、ご参考になれば幸いです。

 

 

PT. Tokyo Consulting
金目 沙織

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