いつもお世話になっております。東京コンサルティングの早川でございます。今回は、年次株主総会における年次報告書および監査報告書の取り扱いに関してお客様から頂いたご質問を紹介いたします。インドネシアの会社法第66条には、「取締役会は会社の会計年度が終了した後、6ヶ月以内にコミサリス会(監査役会)の精査を受けた後、株主総会に対して年次報告書を提出する、とございます。今回は、この年次報告書とコミサリスの手続に関して頂いたご質問を、2回に分けてご紹介します。
<ご質問①>
会社法には、コミサリス会が確認した後、株主総会へ提出とありますが、会社法上の流れと、実際に一般的な日系企業が行っている流れをまとめていただけませんか。
<回答①>
まずは、会社法上の手順をご説明いたします。
(1) 会計監査人によって会計監査報告書を作成し、それを含めた年次報告書を作成
(外資企業の場合は義務でございます)
(2) コミサリス会によって会計監査報告書、およびそれを含めた年次報告書を確認
(3) その後、年次株主総会にて
また以下は、実際に日系企業が行っている手順です。
(1) 会計監査人によって監査報告書を作成し、それを含めた年次報告書を作成
(2) コミサリス会による確認方法は、実際には以下のケースがございます。
①確認をされないケース、
②確認をしてもその証拠を残さないケース、
③年次株主総会の議事録に「コミサリス会によって確認された」という一文を記載しコミサリス会にもその議事録にサインしてもらうケース、
④メールで「確認した」という旨を記録に残すケース
⑤コミサリス会からレターを発行し、確認した旨を証拠に残すケース
よくある対処は①>②>③>④>⑤となります。
※会社法上の定めではありますが、確認する当局が特にないため何もしなくてもリスクがほとんどないのが現状です
(3) その後、年次株主総会を開き、その議事録に「株主総会により年次報告書及び会計監査報告書が確認された」という旨を記載し、出席者による署名を行う
次回も引き続き、本件に関連するご質問をご紹介いたします。
早川 桃代