インドネシアの買収について

法務

3.「買収」(会社法125条3項)について

 さて、「買収」をするという場合、インドネシア会社法125条3項において、「当該会社に対する管理が移転する結果をもたらす株式の買収」を指し、特別な手続が必要とされます。つまり、支配権が移るような買収であれば、会社法上の「買収」にあたり、手続要件を満たさなければなりません。

 

4.「買収」を行う際の共通の手続要件について

 第三者割当てであれ、株式譲渡であれ、それぞれ別個の手続が必要となりますが、買収会社がマジョリティを獲得する場合には、共通の手続要件が定められています。以下、一般的な買収の流れを追ってみましょう。

①     守秘義務契約の締結・デューディリジェンス

②     売主との契約交渉

③     株式譲渡契約締結or株式引受契約締結

④     従業員への通知

⑤     新聞公告

⑥     BKPMへの譲渡承認申請→許可

⑦     債権者異議手続

⑧     株主総会決議

・株式譲渡or新株発行

・定款変更

・役員の辞任・選任)

⑨     クロージング

・譲渡証書の締結

・譲渡代金の支払い

・株券の交付

⑩     法務人権省登録

⑪     買収完了の新聞公告

⑫     独占禁止法の事後届出

 

5.結語

 以上のように、マジョリティの移動を伴うような買収の場合には、様々な手続が必要になっており、それだけに時間も手間もかかる傾向にあります。インドネシアは依然として魅力的なマーケットではありますが、法制度の不透明さ、手続の煩雑さなどの問題は、まだ我々の頭を悩ませるものではあります。

 

 

ページ上部へ戻る