■労働大臣令2015年35号(10月23日施行)
2015年6月29日に、労働大臣令16号が施行されたことが記憶に新しいですが、それを早くも覆す形で、上記35号が施行される運びとなりました。
主な改正点は、下記のとおりです。
・外国人1人に対して、10人を採用するという10人ルールの廃止
・IMTA取得義務の緩和
⇒外国人非居住役員のIMTA取得義務の廃止
⇒短期業務のためのIMTA取得の範囲を縮小
講演、会議出席、一回で完了する短期業務は、IMTAの対象外となり、下記に該当する短期業務につき、IMTAの取得義務が継続
a.映画製作
b.1ヶ月を超える監査、品質管理、検査業務
c.機械の据付、物販後のリペア、クレーム対応等のアフターサービス、調査関連業務
・ローカル会社のコミサリス就任の禁止
新興国である以上、規制の頻繁な変更は、よくあることで、インドネシアも頻繁に変更する国の一つですが、3ヶ月で、発行された規則が、覆るケースは希なものと言えます。
今後の対応
今回の35号の施行は、政治的な圧力を背景に、6月29日16号発行前の状況に戻した、というのが趣旨です。
6月29日以前、法律が施行される前も、労務監査で、非居住役員のIMTA取得義務は、よく指摘をされてきました。すなわち、定款に登録されている役員がIMTAを取得していない場合、数十万単位で罰金支払いするような事案です。今回、法文上の義務は廃止されましたが、上記の指摘リスクは依然、残ったままです。今後も、労務監査の対象となることは間違いないでしょう。
今回、IMTAの取得をすでに始められた、というお客様も多いと思いますが、上記の背景を考慮し、始められている場合は、取得までいったんして、様子を見られるのがよいと思われます。検討中だった、お客様も引き続き、非居住役員に関しては、できる限り、外す、あるいは、IMTAの取得の方向で、検討されるのがよいと思われます。