皆さん、こんにちは!東京コンサルティンググループ インドネシア拠点の袖山 彩です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。さて、今回は「【インドネシア税務】ローカルPT買収や取引先管理に影響も? 0.5%最終所得税(PPh Final)改正の注意点」についてお話していこうと思います。
2026年4月22日、UMKM(中小零細事業者)向けの0.5%最終所得税(PPh Final)について、対象を絞り込む政令「PP 2026年第20号」が施行されました。
日系の小規模法人にとって影響が大きい可能性がある改正ですので、ポイントをお伝えします。
インドネシアの0.5%最終所得税(PPh Final)改正で何が変わったのか
UMKM(中小零細事業者)向けの0.5%最終所得税(PPh Final)とは、売上高48億ルピア以下の事業者を対象とした優遇税制です。
これまでは個人事業主のほか、PT(有限会社)・CV(合資会社)・組合など幅広い法人形態が対象でした。
今回の改正で対象は、個人事業主・1人で設立するPT Perorangan(個人PT)・協同組合(koperasi)の3者に絞られました。
| 時点 | 0.5%最終所得税の対象 |
| 改正前 | 個人事業主のほか、PT(有限会社)・CV(合資会社)・組合など幅広い法人形態 |
| 改正後(PP 2026年第20号) | 個人事業主/PT Perorangan(個人PT)/協同組合(koperasi)の3者 |
つまり、通常のPT(Perseroan Terbatas)は対象から外れました。
日系企業がインドネシアに設立する法人(PMA)は、ほぼ例外なくこの通常のPTの形態を取ります。
そのため、今後新しく設立する日系の小規模法人は、この0.5%最終所得税を使えないことになります。
日系企業(外資法人・PMA)への影響
日系企業が出資して設立する外資法人(PT PMA)は、今回の改正以前から本制度の実質的な対象外であり、設立当初から通常の法人税率(条件を満たせば所得税法第31E条の軽減措置など)が適用されてきました。
背景には、PMAに課される投資規制があります。PMAは投資関連規則(現行はPP 2025年第28号)により、KBLI(事業分類)ごとに土地建物を除く投資額100億ルピア超が義務づけられており、OSS上も自動的に「大規模事業(Usaha Besar)」に分類されます。
売上高48億ルピア以下を要件とする0.5%制度とは、そもそも制度設計上、両立しにくい関係にありました。
そのため、今回の改正によって日系PMAの税務処理が直接変更されるわけではありません。
留意すべきケース(ローカル企業の買収・合弁等)
ただし、以下のようなケースでは注意が必要です。
① ローカルPTを買収・子会社化する場合
買収対象のローカルPTが0.5%税制を利用していた場合、経過措置の適用期間や、買収後に通常課税へ移行するタイミングを把握しておく必要があります。
特に、買収によって出資構成が変わることで利用要件を失う可能性がある点にはご注意ください。
② 個人事業主との取引
個人事業主やPT Peroranganについては、売上高48億ルピア以下であれば期間制限なく0.5%が維持されます。
こうした取引先との源泉徴収実務(PPh Pasal 23等)において、相手方の課税方式(0.5%最終課税か、通常課税か)を確認しておく必要があります。
買収・合弁のスキーム検討や、取引先の課税方式の確認については、どうぞお気軽にご相談ください。
情報元:政令2026年第20号(PP 20/2026、政令2022年第55号の改正)、政令2025年第28号(投資関連規則)、税務総局(DJP)公表資料
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東京コンサルティングファーム インドネシア拠点
袖山 彩