皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインドネシア拠点の袖山 彩です!

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さて、今回は「【インドネシア労務】インドネシアの障がい者雇用義務」についてお話していこうと思います。

あわせてご覧ください

インドネシアに関する基礎知識が知りたい方は、こちらから▼ ・インドネシアの基礎知識 インドネシアに関するセミナーに参加したい方は、こちらから▼ ・インドネシア関連セミナー2026年に入り、インドネシア政府および国会(DPR)の間で「障がい者雇用」の義務化に向けた動きが急速に活発化しています。今回は義務の基本と、2026年に強まっている履行圧力の動きをお伝えします。

根拠となるのは、2016年第8号法(障害者法)第53条です。

  • 政府・地方政府・国営企業(BUMN)・地方公営企業(BUMD):従業員の最低2%
  • 民間企業:従業員の最低1%ここでの「民間企業(perusahaan swasta)」に、資本の国籍による区別はありません。日本の親会社が100%出資するインドネシア法人(PMA)も同じ1%義務の対象です。「外資だから対象外」ということはなく、インドネシア国内の従業員数を基準に義務が発生する、とご理解ください。

障害者法が企業に求めているのは、単に頭数をそろえることだけではありません。差別のない採用プロセス、同一労働同一賃金、そして「合理的配慮(akomodasi yang layak)」の提供が求められます。作業環境や設備の調整、柔軟な勤務形態、採用試験方法の調整などが含まれます(第46条・第48条)。実務的な細則は労働大臣令2016年第39号などで定められています。なお、第53条の雇用割合そのものには罰則の規定が明記されていません。一方、合理的配慮を提供しない場合には行政制裁(第50条)の対象となりうる規定があります。そのため実務上は、「罰則が弱いから守らなくてよい」ではなく、次に述べる行政指導や公表を通じたプレッシャーが主な履行担保の手段になっている、というのが実情です。

ルール自体は2016年からありますが、実際の順守は長らく低調でした。2026年に入り、政府・国会の双方から履行を求める動きが相次いでいます。

  • 社会省:Gus Ipul社会大臣が2026年6月、全省庁・BUMN・民間企業に義務(2%/1%)の順守をあらためて要請
  • 国会(DPR):2026年5月、雇用率を現行から3%へ引き上げるべきとの意見
  • 立法の動き:2026年の国家立法計画(Prolegnas)では、優先法案67件のうち38件が障がい者関連とされ、重点テーマの一つにこうした動きの背景には、統計庁(BPS)のデータで、障がい者のうち高等教育まで修了した人が2.8%にとどまるなど、企業側が求める人材とのミスマッチも指摘されています。今後は制裁の明確化やインセンティブ強化に向かう可能性があり、日系企業もこの流れの外にはありません。
  • 自社(インドネシア法人)の障がい者雇用率が1%を満たしているか確認する
  • 労働局の「障がい者サービスユニット(ULD)」を活用し、採用ルートを広げる
  • 採用選考や職場環境を、合理的配慮の観点から見直す
  • 日本本社への報告用に、現地のコンプライアンス状況を数値で可視化しておく

情報元:障害者法(2016年第8号法、特に第53条・第46条・第48条・第50条)、障がい者労働者の配置及び保護に関する労働大臣令2016年第39号、社会省・国会(DPR)発言(2026年5〜6月)、国家立法計画(Prolegnas)2026、統計庁(BPS)データ

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袖山彩