皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインドネシア拠点の飯島 淳です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「インドネシアの子どもデジタル保護規則「PP TUNAS」が 2026年3月施行!EC・SNS事業者への影響と対応」についてお話していこうと思います。
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東京コンサルティンググループ インドネシア拠点の飯島 淳です。
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「インドネシアで2026年3月28日に本格施行された子どもデジタル保護規則『PP TUNAS』」についてお話していこうと思います。
デジタルサービスを提供されているお客様から「PP TUNASってどう対応すればいいの?」
というご質問を多数いただいています。SNS、ECサイト、オンラインゲームなど、子どもがアクセスし得るすべてのデジタルサービスに影響する重要な規則です。
第一弾として、YouTube、TikTok、Facebook、Instagramなど主要8プラットフォームで「16歳未満アカウントの無効化」が始まっています。本記事では、日系企業の皆さまが押さえるべきポイントを整理します。
本記事のポイント
PP TUNAS(政府規則17/2025)により、SNS・オンラインゲーム・Eコマース等すべての電子システム運営者(ESO)に、年齢確認、データ収集制限、デフォルトでの高プライバシー設定、プロファイリング禁止、DPO任命等が義務付けられました。第一弾として8つの高リスクプラットフォームで16歳未満アカウントの無効化が始まっています。
1. PP TUNASとは何か ― 基本構造の理解PP TUNAS(正式名称: Tata Kelola Penyelenggaraan Sistem Elektronik dalam Pelindungan Anak)は、電子情報取引法(UU ITE)第二次改正の第16A条・第16B条を実施するために制定された政府規則です。
(1) 「子ども」の定義
18歳未満を「子ども」と定義し、その個人データを「特定(機微)個人データ」として扱う点で、PDP法(個人データ保護法)とも連携しています。日本の一般的な感覚より対象年齢が広い点に注意が必要です。
(2) 実施規則の整備状況
2026年3月、コミュニケーション・デジタル省(Komdigi)は実施規則として「コムディジ規則9/2026」を公布し、具体的な運用ルールを明確化しました。これにより、現場での運用がようやく動き始めた状況です。
2. 電子システム運営者(ESO)の主要義務
PP TUNASは、子ども向けに設計されたサービスだけでなく「子どもが利用する可能性があ るサービス」全般に適用される点が、日系企業にとって重要なポイントです。 ▶ 必須となる8つの義務
- 年齢確認(Age Verification)メカニズムの導入
- 保護者同意の取得(子どもの個人データ処理に必須)
- デフォルトでの高プライバシー設定
- プロファイリングのデフォルト無効化(ターゲティング広告含む)
- 正確な位置情報追跡の禁止
- DPIA(データ保護影響評価)の実施
- DPO(データ保護責任者)の任命
- ダークパターン(操作的UI)の禁止3. 第一弾規制対象の8プラットフォーム
- 2026年3月28日時点で規制が始まった8つの高リスクプラットフォームは以下のとおりです。これらは「インドネシアの子どもが最も利用し、かつリスクが高い」と評価されました。
● YouTube
● TikTok
● Facebook
● Threads
● Instagram
- ● X (旧Twitter)
● Bigo Live
● Roblox 施行前日時点で完全準拠していたのはXとBigo Liveのみで、他は段階的に対応中です。
4. 違反時の制裁とリスク
(1) 行政制裁の3段階
1. 書面警告 2. 罰金 3. アクセス停止(プラットフォームのインドネシア国内アクセス遮断)
(2) 並行する刑事・民事リスク
P TUNAS自体は刑事罰を直接規定しないものの、児童保護法(法律23/2002)等の関連法による刑事責任が並行して問われ得ます。さらに、保護者・後見人・市民団体による民事訴訟提起のリスクも存在します。
なお、2027年3月27日までは移行期間として行政罰の発動は控えられますが、第三者からの民事請求は移行期間中も提起可能です。
5. 日系企業がいま取るべき対応
- ECサイト、ゲーム、メディアサービス、SaaSを問わず、インドネシア在住の子どもがアクセスし得るすべてのデジタルサービスが対象です。以下を優先順位に従い進めてください。
1. ユーザーベースの年齢分布調査 2. プライバシーポリシー・利用規約の改訂 3. DPO選任とDPIAの実施 4. UI/UXのダークパターン排除レビュー 5. 親権者同意取得フローの構築 6. よくあるご質問(FAQ) Q. BtoBサービスでも対象ですか?
A. 子どもが利用する可能性が低い純粋なBtoBサービスは対象外ですが、判断は慎重に行うべきです。社員の家族が利用するケース等も論点になります。
- Q. PDP法との関係はどうなりますか?
A. PP TUNASはPDP法の「特定個人データ」要件を具体化した特別法的位置付けです。
両方の遵守が必要となり、PP TUNASの方がより厳格な要件を課しています。
- Q. 日本本社のサーバーで処理する場合も対象ですか?
A. 対象です。インドネシアのデータ主体に対して提供されるサービスは域外でも適用されます。越境データ移転とPDP法の規制も並行して検討してください。
7. まとめ
PP TUNASは「子ども向けサービス」だけの問題ではなく、結果的に子どもがアクセスする可能性のあるすべてのデジタルサービスに影響する規則です。インドネシアでデジタルビジネスを展開している日系企業の方は、自社サービスのユーザー年齢構成を改めて確認し、必要な対応を進めることをお勧めします。
特にDPO選任、DPIA実施、親権者同意フロー構築は時間がかかりますので、移行期間が明ける2027年3月までを見据えて早めに着手しましょう。
本記事に関するご質問・ご相談は、弊社インドネシア拠点までお気軽にお問い合わせください。
■ 執筆者プロフィール東京コンサルティンググループ インドネシア拠点飯島 淳 (Jun Iijima) インドネシアにおける日系企業向けコンサルティングに従事。法人設立から会計税務・労務法務まで、現地駐在員として日々お客様の課題解決を支援しています。
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