Q&A 台湾人が中国で就労する際の必要手続きについて

お世話になっております。
東京コンサルティングファーム、萩生田でございます。

ご質問いただきました、台湾籍の方が中国国内で就労する場合の手続きについてご説明させていただきます。

まず初めに、日本人が現地で就労する場合に必要とされる、就労ビザ(Zビザ、Mビザ、就労許可証)は台湾籍の方の場合は必要とされません。

一方で、台湾籍の方が大陸側へ入国する場合、台湾居民往来大陸通行証と呼ばれる証明書が必要となります。
これは、台湾の住民が観光、商用、親族訪問などで大陸を訪問する際に必要となる証明書のことです。
2015年6月末までは「台湾居民往来大陸通行証」に加えて、「签注(qiānzhù)」と呼ばれるVISAに相当する許可証も必要でしたが、2015年7月よりルールが変更され、「签注」は必要なくなり、「台湾居民往来大陸通行証」はICチップが内蔵されたカード式に変更され、有効期間内(※1 詳細下記記載)は自由に大陸地区へ出入境、滞在できるようになっております。
「台湾居民往来大陸通行証」は台湾現地の旅行代理店等で申請でき、7営業日ほどで取得可能です。有効期限は5年となります。一般的に使用されているのは一次入境、在留期限3ヶ月のものですが、長期滞在者のために1年多次、2年多次、3年多次等の種類も存在しており、2年以上の査証に関しては公安指定病院での健康診断を求められるなどの制限がある点に注意が必要です。(※1)

また、本人が希望する場合、中国大陸側に入国後半年以上内地(大陸)に居住する場合は、中国において居住証を申請・取得が可能です。2018年9月1日より、「香港・マカオ・台湾住民の居住証申請・発行弁法」の施行が始まりました。「弁法」では、中国大陸部で半年以上居住している香港・マカオ・台湾の各地区住民で、「合法かつ安定した就業状態にある」、「合法かつ安定した住所を有する」、「教育機関で連続して学んでいる」という3条件のうち少なくとも1つの条件を満たしている場合、規定に基づき居住証の発行を申請できることが明確に定められています。
居住証を所持している香港・マカオ・台湾の各地区住民には、大陸部の居住地において、法に基づいた労働・就業、社会保険への加入および住宅公共積立金の積立・受給・使用などの権利が与えられ、県レベル以上の人民政府およびその関連部門は、居住証を所持する香港・マカオ・台湾の各地区住民に対し、義務教育や基本公共就業サービスなど一連の基本的な公共サービスを提供しなければならないという規定も存在します。
これまで、香港、マカオ、台湾の方々が中国本土で働くためには「中国企業の事業免許証、認定機関発行の健康証明書、居住証明書」などの書類を揃えて就業許可申請をおこなう必要があり、就労先の変更や2年毎の更新の際に再申請が必要でしたが、中国本土での就労が自由になり市場が開放といった規制緩和により、香港、マカオ、台湾の多くの人材が中国本土において就業しやすい環境となりつつあります。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

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东顾企业管理咨询(上海)有限公司 / Tokyo Consulting Firm Shanghai
  萩生田弘毅(はぎうだ ひろき) 

E-mail:hagiuda.hiroki@tokyoconsultinggroup.com

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