こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。
Q. 過去に個人所得税の計算を全世界所得で計算していたなったため、修正申告を検討しております。中国では、遡及期間は何年間でしょうか。
A.
最近、過去の個人所得税の修正申告を検討する企業が増えてきております。
日系企業でよくある問題が、中国での個人所得税計算を日本の給与を含めて計算するか否かです。
個人所得税は、居住国で全世界所得にて計算する必要があるため、給与を日本側と中国側の2カ所で受け取っていた場合には、日本側の給与を含めた額で個人所得税を計算する必要があります。
しかしながら、過去に中国側での給与のみで個人所得税を計算しており、今になってコンプライアンスや税務リスクの観点から、過去の個人所得税の修正申告を検討するケースがあります。
過去の個人所得税の修正を行う場合は、何年までさかのぼって計算すべきでしょうか。
税収徴収管理弁法52条には、税者または源泉徴収義務者の過失により、未納付、若しくは過少納付が発生した場合、税務機関は3年以内に(特殊な状況では5年以内に)当該税額を徴収することができ、脱税、税金の詐取等の場合は、期限を設けずに追徴できると規定されています。
したがって、この場合は最大で5年の修正申告が必要と考えられます。
なお、中国では、過少申告の場合は1日当たり0.05%の延滞金が発生します。
なお、今回のケースでは、延滞金を含めた未払金は大きな金額になります。
一度、必要金額を概算で計算したうえで、コンプライアンス及び税務リスクを検討の上、修正申告の実施可否を検討することをお勧めいたします。