こんにちは、東京本社・呼和塔拉です。
今回は、中国における知的財産権に関する政策動向及び法整備についてご紹介します。ご興味があれば、是非ご一読いただければと思います。
Q1 中国の知的財産権問題の現状を教えてください
A1 「模倣品製造工場」とも言われるほど、外国企業・外資企業は、中国での知的財産権保護に悩まされていることは周知の通りであります。模倣品が大量に出回っている現状は否定できません。
中国においては、知的財産権保護、消費者保護、市場秩序維持のいずれの観点からも、「模倣品・海賊版」取締は強化しなければならない喫緊問題であります。
しかし、中国にとっては、知的財産権保護だけが問題ではありません。国内の有力特許不足も中国のグローバル戦略の足枷になっています。出願件数は年々増加しています(2014年の特許申請件数は、236.1万件にのぼる)が、国内企業の特許出願の質が問われています。同様に、2014年商標登録申請件数は世界一としていますが、国内企業所有の世界に通用するような有力ブランドはほんのわずかです。
2014年末、前述の現状を踏まえ、中国国家知的財産局等20余りの部門により制定された「国家知的財産戦略実施の行動計画(2014~2020)」が発表されました。当該行動計画では、「「知的財産権強国」となる」目標に掲げています。
Q1 中国の知的財産権に関する政策動向はいかがですか?
李克強総理が、今年3月20日に工商総局を視察した際に、模倣品などの知的財産権侵害行為等の取締をさらに強化するように指示しています。中国政府としては、これからも知的財産権の保護を強化していくことは伺われます。
2014年は、「商標法」及びその「実施条例」が施行されました。「専利(特許)法」「著作権法」「専利(特許)代理条例」の改正、「職務発明条例」の制定が進められています。その他著作権関連、商標関連の個別規定等の制定、見直しの予定もあります。
2014年の全国の行政機関が処理した知的財産権関連案件は24479件に上り、全年度より50.9%上がっています。
これからは、さらなる法整備がおこなわれ、知的財産権保護がより一層強化されると見込まれます。
以上、お読みいただき、ありがとうございました。