こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。
Q, 人民元クロスボーダープーリングを実施するために上海自由貿易試験区に会社を設立することを検討しています。ただ、人民元クロスボーダープーリングは上海自由貿易試験区でなくても設立できると聞きました。両者の違いについて教えてください。
A,
中国における人民元クロスボーダープーリングは、まず初めに上海自由貿易試験区の区内企業を対象に解禁されました。（2014年2月20日付：銀総部発［2014］22号）
そして、その後中国全土でも解禁されることになりました。（2014年11月1日付：銀発［2014］324号及び2015年9月9日付：銀発［2015］279号）
特に、全国版の人民元クロスボーダープーリングは2015年度の279号通達にて、大幅に緩和されました。
この自由貿易試験区版と全国版の違いは下記の比較表のとおりです。
〈比較表〉
上記のとおり、自由貿易試験区と全国で実施されているプーリングの要件には若干の違いがあります。例えば、認可の手続きや資金移動限度額等、まだ自由貿易試験区のほうが優遇されている点もあります。
他の政策でもそうですが、まず上海自由貿易試験区で認可され、その後全国へ展開されるということが多くあります。
上記のプーリングに関しても、上海自由貿易試験区で開始された後すぐに全国に展開されました。
全国における規制も緩和されていく方向にありますので、今後の動向に注意したうえで、どちらを選択するかを決定する必要があります。
