バングラデシュへの英語環境について

バングラデシュに進出した日系企業が、現地でのビジネス環境の利点の一つとして挙げる事が英語が通じるという事です。しかし、国全体を見てみると、実際には日本人が考えているほどバングラデシュ人は英語に堪能という訳ではありません。

日本人が日本企業に就職し、日本で生活する分にはほとんど英語を必要としないのと同じように、ほとんどのバングラデシュ人は母国語ベンガル語で生活しており、通常は英語を話しません。ベンガル語を母国語とする事が独立前にパキスタンから認めらず、母国語を守ろうとしたことがバングラデシュ独立の一因であり、母国語に誇りを持っている方が多い事も理由の一つです。

無論、日本同様に高い教育を受けたものなどは英語に堪能であり、それらの人たちが外資系企業などで活躍しています。日本人が、ビジネスの場で接するバングラデシュ人も大半がこれらの人たちであり、結果としてバングラデシュビジネスの場では英語が通じる様になっています。そのため、バングラデシュ人は英語に堪能と感じられる事が多いのでしょう。

しかし、ビジネスの場以外となると、そうもいきません。現地で日本人が生活する際には、ドライバーやベアラーを雇用する事が多いです。そして、その人たちの多くは英語に堪能ではありません。そもそも英語に堪能ならもっと高給を貰える職業についているでしょう。ビジネスの場では英語に不自由しなくとも、生活の場では不自由する場面が多いので、現地に進出する日系企業の方も注意が必要です。

ただ、意外にもご年配の方は英語に堪能である方が多いようです。イギリスの植民地時代の名残との事ですが、今の時代になって逆境をバネにできたと言えるかも知れません。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

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