
皆様、こんにちは。
前回に引き続き、今回のブログでも、よくある労務Q&Aを載せていきたいと思います。
質問:入社して10ヵ月目になる従業員ですが、試用期間後より勤務態度が非常に悪くなり、他のスタッフに対しても悪い影響が出ています。解雇手当金を支払い、即日解雇をしたいのですが、どのようなプロセスで行うのが良いでしょうか。
<回答>
通常、解雇手当金を支払う普通解雇を検討する場合は、一給与期間前までに書面による解雇事前通知を行うのが一般的ですが、事前通知なしに即日解雇を希望する場合は、事前通知に代わる、一給与支払い相当する賃金の支払いが必要となります。
また、今回は労働法や就業規則に違反した懲戒解雇ではなく、会社都合による普通解雇となるため、会社側は解雇予定の従業員に対し、以下の賃金支払いが必要となります。
- 給与の支払い
- 未使用の年次有給休暇の支払い(過年度の累計及び今年度の累計未使用分)
- 解雇手当金の支払い(120日以上1年未満のため、30日分の手当金)
- 事前通知に代わる賃金の支払い(月額給与取得者は30日分の賃金)
上記に加え、プロビデントファンドを福利厚生として設けている会社は、ファンド会社に問い合わせ、積立金の支払いについても協議する必要があります。上記で記載している1~4の合計賃金の支払いですが、解雇有効日当日や、解雇有効日より3日以内に、従業員の指定口座へ支払うのが一般的です。
プロセスとしては、解雇通知書の作成と労使双方の署名、賃金の支払いが必要となります。
重要となるのは解雇通知書の作成かと思いますが、通知書はレターヘッドを挿入の上、以下の内容を明記し、2部印刷後、お互いの署名後に会社と従業員それぞれで保管となります。
<解雇通知書の内容>
・書面の発行日
・解雇理由、解雇有効日
・従業員が受取権利のある賃金内容、またその金額、
・賃金の送金予定日、送金場所(口座番号)
・会社代表者の署名欄と、解雇通知書の受領署名欄
なお、弊社でも弊社弁護士による労務アドバイザリーサービスを行っております。
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東京コンサルティングファーム タイ拠点
植村 寛子
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