皆さん、こんにちは!東京コンサルティングファーム タイ拠点の石田です!

はじめに:タイの税務・会計スケジュールを正しく把握していますか?

タイで現地法人を設立・運営するにあたり、日本人経営者や駐在員が特に注意しなければならないのが「各種税務申告・会計書類の厳格な提出期限」です。

タイの現地法人(一般的なタイの株式会社)では、原則として公認会計士(CPA)による財務諸表の監査・意見表明が必要です。年次の決算だけでなく、タイでは取引内容や税務登録の状況に応じて、毎月の税務申告が発生します。代表的なものが源泉徴収税(WHT)とVATです。期限を1日でも過ぎると、歳入局(Revenue Department)や商務省事業発達局(DBD)から無駄な過料・加算税・延滞税を科されるリスクがあります。

本記事では、12月決算企業(タイの日系企業で最も多い決算期)をモデルケースに、タイ現地法人が遵守すべき「月次」および「年次」の税務・会計提出スケジュールを網羅して解説します。

タイ現地法人の会計・税務の年間タイムライン(年次実務)

Q. タイ現地法人の決算・確定申告の期限はいつですか?

【直接回答】

事業年度終了後4ヶ月以内にAGMを開催して財務諸表を承認し、P.N.D.50は決算日から150日以内に歳入局へ提出します。一方、DBDへの財務諸表提出はAGM承認後1ヶ月以内、BOJ.5(株主名簿)はAGM後14日以内が基本的な期限です。

12月決算の会社を例にした年次スケジュールの全体像は以下の通りです。

時期・期限提出先業務内容・提出書類提出書類名 / 形式
決算日(12月31日)-事業年度末・実質棚卸・会計締め-
翌年3~4月-公認会計士による会計監査の実施監査報告書(Audit Report)
決算後4ヶ月以内(4月30日まで)株主年次株主総会(AGM)の開催・財務諸表の承認株主総会議事録
AGM後14日以内商務省(DBD)株主名簿の提出BOJ.5(株主名簿)
AGM承認後1ヶ月以内商務省(DBD)監査済み財務諸表の提出監査済み決算書
決算後150日以内(5月30日まで)歳入局法人税確定申告P.N.D.50
会計年度の最初の6ヶ月終了日から2ヶ月以内(8月末まで)歳入局法人税中間申告P.N.D.51

毎月発生する!月次税務申告のスケジュール

年次の決算だけでなく、タイでは取引内容や税務登録の状況に応じて、毎月の税務申告が発生します。代表的なものが源泉徴収税(WHT)とVATです。

① 源泉徴収税(Withholding Tax:WHT)

  • 申告対象:前月に支払ったサービス料・家賃・配当・従業員給与等の源泉税
  • 通常の申告期限:翌月7日まで(P.N.D.1, 3, 53等)
  • e-Filingによる申告期限:翌月15日(歳入局の指定日)

② 付加価値税(Value Added Tax:VAT)

  • 申告対象:前月に発生した売上VAT(Output VAT)と仕入VAT(Input VAT)の差額
  • 通常の申告期限:翌月15日まで(P.N.D.30 / PP.30)
  • e-Filingによる申告期限:翌月23日(歳入局の指定日)

タイで申告遅延が起きた場合のペナルティ(罰則リスク)

スケジュール管理を怠り、期限を過ぎてしまった場合には以下のペナルティが発生します。

  • 加算税(Penalty):税目や違反内容に応じて異なり、無申告・過少申告等の場合には本税額を基準としたPenaltyが発生する場合があります。
  • 延滞税(Surcharge):未納税額に対し月1.5%の割合で加算(上限は本税額)
  • 商務省(DBD)からの過料:財務諸表や株主名簿等の提出を失念した場合、法人だけでなく取締役個人に対しても、法律に基づいた過料・罰則が科されるリスクがあります。具体的な罰則の内容・金額は、違反した書類や適用される法令上の規定によって異なります。

特に「取締役個人への罰金」が科される場合がある点や、延滞税が月1.5%という高利で加算される点には十分な警戒が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q1.3月決算の会社の場合、スケジュールはどうなりますか?

決算日からの相対的な日数(AGM:4ヶ月以内、P.N.D.50:150日以内、P.N.D.51:最初の6ヶ月終了後2ヶ月以内)は同じです。例えば3月31日決算の場合、株主総会は7月31日まで、法人税確定申告(P.N.D.50)は8月28日頃まで、中間申告(P.N.D.51)は11月末までとなります。

Q2.休眠会社(売上がゼロの会社)でも毎月の申告や会計監査は必要ですか?

いいえ、「売上ゼロ=すべての申告が不要」ではありません。たとえ営業活動が停止している状態でも、法人税の確定申告や商務省(DBD)に対する決算書類の報告義務は継続します。ただし、源泉所得税(WHT)や付加価値税(VAT)に関しては、税務登録の有無や実際の取引発生状況によって、月次申告が必要かどうかの判断が分かれる点に留意が必要です。

まとめ:計画的なコンプライアンス管理で安心な経営を

タイにおける税務・会計管理は、月次のWHT/VAT申告から年次の監査・確定申告まで、非常に細かなタイムラインが定められています。

駐在員事務所や立ち上げ初期の現地法人では、「ローカルスタッフに任せきりにしていて期限直前にパニックになった」「e-Filingの登録が間に合わず遅延した」という失敗談が後を絶ちません。

  • 自社の年間スケジュールが正しく管理できているか不安
  • 月次・年次の税務申告・会計記帳を丸ごと専門家に委託したい
  • タイの会計監査人・税理士を探している

このようなお悩みをお持ちの企業様は、ぜひ東京コンサルティングファーム(タイ拠点)までお気軽にご相談ください。

株式会社東京コンサルティングファーム タイ拠点
石田