皆さん、こんにちは。東京コンサルティングファーム タイ拠点の片山です!タイへ赴任してから、日系企業の労務相談に携わる中で、繰り返し相談を受けるテーマの一つが障害者雇用義務です。

日本本社から「タイにも障害者雇用率制度はあるのか」という質問を受けることも多く、日本とは制度設計が異なるため戸惑われる企業も少なくありません。

【本記事の結論】

タイでは、障害者エンパワーメント法により一定規模以上の企業へ障害者雇用義務が課されています。直接雇用が難しい場合には、第34条の納付金や第35条の代替措置を選択できます。制度改正の可能性もあるため、実務では最新法令の確認が重要です。

障害者エンパワーメント法とは?基本的な仕組み

Persons with Disabilities Empowerment Act B.E.2550(2007)を根拠とする制度です。企業が取り得る対応は、条文ごとに次のように整理されています。

条文企業に認められる対応
第33条直接雇用
第34条納付金
第35条代替措置

2011年の省令により、従業員100人につき障害者1人の雇用が求められます。従業員数は毎年10月1日時点で判定されます。

複数拠点を持つ場合の注意点

同一県内の本社・支店は、従業員数を合算して判定されます。組織再編や拠点統合では雇用義務人数が増える場合があるため、事前試算が重要です。

直接雇用が難しい場合の選択肢とは?

直接雇用が難しい場合でも、第34条の納付金または第35条の代替措置を選択できます。

納付金は「対象となる県の最低賃金(日額)×365日」で計算されます。最低賃金は県ごとに異なり、2025年7月には一部地域で日額400バーツへ改定されました。この場合、1人あたり年間14万6,000バーツの納付が必要となります。

※最低賃金・延滞利率等は改正される可能性があるため、最新の労働省告示等をご確認ください。

日系企業はどのような点に注意すべき?

実務では、次の順序で確認していくことをおすすめします。

  1. 対象人数の確認
  2. 直接雇用・納付金・代替措置の比較
  3. M&Aや組織再編時のDDで、未払い納付金や雇用状況を確認

実際の日系企業ではどのように対応している?

実務では、地域の就労支援団体を活用した第35条の代替措置を採用する企業や、毎年の予算に納付金を織り込む企業もあります。

【FAQ】障害者雇用義務でよくある質問

Q. 第33条・第34条・第35条はどのように使い分けますか?

第33条は直接雇用、第34条は納付金、第35条は代替措置です。企業の状況に応じて選択します。

実務上のチェックポイント3選

  1. 10月1日時点の従業員数を正しく集計しているか
  2. 直接雇用・納付金・代替措置を比較しているか
  3. M&A時に未払い納付金等をDDで確認しているか

まとめ

障害者雇用義務は人事だけでなく、M&Aや組織再編にも影響する重要テーマです。制度は改正される可能性があるため、最新の法令・行政通知を確認し、必要に応じて専門家へ相談することをおすすめします。

東京コンサルティングファームのサポート

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タイの法令に準拠した現地法人運営やM&Aについては、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

【免責事項】

本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・税務・会計上の助言ではありません。制度改正の可能性があるため、実際の案件では最新情報をご確認ください。

株式会社東京コンサルティングファーム M&A事業部兼 タイ拠点
片山