皆さん、こんにちは!東京コンサルティングファーム タイ拠点の松木 祐里香です。いつもブログをお読みいただきありがとうございます。さて、今回はタイの「商品欠陥責任法案(いわゆるレモン法)」についてお話していこうと思います。

タイ政府が「商品欠陥責任法案」を閣議承認

2026年6月16日、タイ政府は消費者保護委員会(OCPB)が提案した「商品欠陥責任法案」を閣議承認しました。今後は国会で審議され、成立・施行される予定です。

なお、本法案は2008年に施行されたタイの製造物責任法(PL法)とは別の法律です。既存のPL法は、欠陥製品による生命・身体・財産への損害賠償責任を定める法律ですが、今回の法案は商品の欠陥が見つかった場合の修理・交換・契約解除など、売買契約上の権利義務を明確化することを目的としています。

タイで製造・販売・輸入を行う企業は、今後の法改正動向を把握しておくことが重要です。

商品欠陥責任法案とは?

本法案では、引渡し時には判明しなかった商品の欠陥について、販売者の責任と購入者の権利を整理しています。対象となる主な取引は以下のとおりです。

  • 消費者取引(BtoC)
  • 事業者間取引(BtoB)
  • 通常の売買契約
  • 割賦販売契約
  • 第三者金融機関を利用した売買契約
  • 交換契約

一方、中古品や生き物など、一部の商品は適用対象外とされています。

購入者に認められる主な権利

商品に欠陥が認められた場合、購入者は次の権利を行使できます。

  • 修理請求
  • 交換請求
  • 代金減額請求
  • 契約解除

軽微な欠陥については、原則として修理請求から開始し、その後の状況に応じて交換や契約解除へ進む仕組みとなっています。

一方、安全性に影響する重大な欠陥については、一定の条件を満たせば直ちに交換や契約解除を請求できる場合があります。

初期不良と推定される期間

本法案では、一定期間内に発見された欠陥については、販売時から存在していたものと推定されます。主な期間は以下のとおりです。

製品初期不良と推定される期間
一般商品引渡しから6か月以内
オートバイ引渡しから6か月以内または5,000km以内
自動車引渡しから1年以内または10,000km以内
家電・電子機器等引渡しから14日以内は交換請求が可能

日系企業への影響

今回の法案は、特に以下のような企業に影響する可能性があります。

製造業

品質管理や出荷前検査の重要性がこれまで以上に高まることが予想されます。欠陥が確認された場合の原因究明や品質保証体制についても、改めて見直す必要があるでしょう。

商社・販売会社

返品・交換・保証対応に関する社内ルールや契約内容について、再確認が必要となる可能性があります。販売代理店との責任分担についても整理しておくことが望まれます。

自動車・部品メーカー

自動車については引渡しから1年または10,000km以内という責任期間が設けられており、保証制度やアフターサービスへの影響も想定されます。

家電・電子機器メーカー

引渡し後14日以内の重大な欠陥については交換請求が可能となるため、初期不良対応フローの整備が重要となります。

今後企業が確認しておきたいポイント

本法案は、現時点では閣議承認された段階であり、まだ施行されていません。今後の国会審議を踏まえ、制度内容が変更される可能性もあります。企業としては、施行に備えて以下の点を確認しておくことをおすすめします。

  • 売買契約書・保証規定の見直し
  • クレーム・返品対応フローの整備
  • 品質管理体制の再確認
  • 販売代理店との責任分担の整理
  • 最新の法案審議状況の確認

【FAQ】商品欠陥責任法案でよくある質問

Q. この法律はすでに施行されていますか?

いいえ。現時点では閣議承認されており、今後国会で審議される予定です。成立・施行日については今後の発表を確認する必要があります。

Q. BtoB取引も対象になりますか?

はい。本法案では、消費者取引(BtoC)だけでなく、事業者間取引(BtoB)も対象とされています。

Q. 中古品も対象ですか?

中古品や生き物などは、本法案の適用対象外とされています。

Q. 日系企業は今から何を準備すべきですか?

契約書や保証規定、品質管理体制、返品・交換対応フローなどを確認し、法案成立後に速やかに対応できるよう準備しておくことが望ましいでしょう。

まとめ

タイ政府は、商品欠陥責任法案(いわゆるレモン法)を閣議承認し、消費者保護の強化に向けた制度整備を進めています。本法案は、既存の製造物責任法(PL法)とは異なり、商品の欠陥に関する売買契約上の権利義務を明確化するものです。

現時点ではまだ法案段階ですが、成立・施行された場合には、製造業や販売業を中心に、契約実務や品質管理、保証制度、アフターサービス体制などへの影響が想定されます。

タイで事業を展開する企業は、今後の法案審議や施行時期を注視するとともに、自社の品質管理体制や契約内容について事前に確認しておくことが重要となります。

以上、お読みいただきありがとうございました!

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【免責事項】

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。本法案は閣議承認の段階であり、国会審議を経て内容が変更される可能性があります。具体的な案件については、最新の法令・行政運用を踏まえ、専門家へご相談ください。

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