皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループカンボジア拠点の松木 祐里香です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「カンボジア労務マニュアル2026年最新版|解雇・年功補償・NSSF登録・就業規則まで実務担当者が使える完全ガイド」についてお話していこうと思います。

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・カンボジア関連セミナー最終更新日:2026年3月|対象法令:カンボジア労働法(1997年・改正含む)、社会保険制度法(2002年)、省令第442号

カンボジアで従業員を雇用・管理するうえで、以下の対応が完了しているか確認してください。

  • [ ] 労働局への事業所開設届出を行っている(開業日まで、または8人未満・機械不使用の場合は30日以内)
  • [ ] 採用・解雇のたびに労働省への宣言を行っている
  • [ ] 全従業員に雇用カード(Employment Card)・雇用ブック(Employment Book)を発行している(入社後7日以内)
  • [ ] 給与台帳を3年間保管し、労働監督官がいつでも閲覧できる状態にしている
  • [ ] 8人以上雇用する場合、就業規則を作成・承認取得している(設立から3カ月以内)
  • [ ] 8人以上雇用する場合、従業員代表を選出している(設立から6カ月以内)
  • [ ] 国家社会保障基金(NSSF)登録し、毎月の保険料を納付している
  • [ ] 月2回の給与支払いを実施している(1回目:当月2週目に純賃金の50%、2回目:当月4週目に残額+手当)
  • [ ] 時間外労働を行う場合、事前に労働省の許可を得ている
  • [ ] 無期雇用従業員に対して年功補償を6月・12月に支払っている(各7.5日分)
  • [ ] 外国人従業員の比率がカンボジア人従業員の10%以下になっている(超過の場合は特例申請)
  • [ ] 事務所内に祝日・労働協約・就業規則・最低賃金などを掲示している

カンボジアへの進出を検討している、またはすでに現地法人を持つ日本企業の人事・管理担当者の方へ。カンボジアの労働法は1997年に大幅改正されて以降、細則の追加・賃金省令の改定・年功補償制度の導入など、実務に直結する変更が継続的に行われています。

しかし「労働法の全文を読んでいる時間はない」「実務でどう対応すればよいかわからない」というケースが多く見られます。本記事では、PDF資料をもとにカンボジア労務の全体像を体系的に整理し、現場担当者がそのまま社内共有・運用できる形でまとめました。

カンボジアの総人口は約1,693万人(CIA “The World Factbook”より)。そのうち15歳〜64歳の労働人口は65.23%にあたる約1,104万人で、男性約537万人・女性約567万人で構成されています。0〜14歳の若年層が全体の30.18%を占めており、今後も若い労働力の供給が期待されます。2030年には推計人口が約1,839万人に増加する見込みです。

最大都市プノンペンには約208万人(2020年)が集中しており、地方から都市部への人口移動も続いています。一方で、タイ・マレーシア・韓国などへの出稼ぎ労働者も存在し、現地採用の際には離職リスクとして考慮が必要です。

2019年時点の産業別就業構成比は次のとおりです。

  • 第1次産業(農林漁業):34.5%(2013年比 −15.0%)
  • 第2次産業(製造業・建設業など):27.9%(同 +8.7%)
  • 第3次産業(サービス業など):37.5%(同 +6.3%)

製造業と観光業を中心としたサービス業が成長を牽引しており、日系企業が雇用を計画する際には製造業・サービス業での採用競争が激化していることを踏まえる必要があります。

15歳以上の失業率は2017年の0.1%から2019年には2.4%に上昇しましたが、他のアジア諸国と比較すると依然として低水準にあります。労働需要の高まりを反映しており、採用・定着に向けた処遇設計が重要です。

カンボジアの労働関連法令は以下の2つを中心に構成されています。

法令名 内容
労働法(Labor Law、1997年) 労使関係・雇用・賃金・休暇など労働基準全般
労働社会保障法(Law on Social Security Schemes、2002年) 従業員の社会保険

加えて、行政規則・習慣法・ILO批准の国際法も補完的に適用されます。社会主義的な色彩を残しながらも、自由主義的で従業員や組合の権利を重視した内容となっています。なお、細則が順次整備中のため、実務上は最新の省令・通知を定期的に確認することが不可欠です。

カンボジア労働法は、個人・法人・民間企業・国や地方公共団体と雇用契約を締結し、雇用主の指揮命令下で賃金を受け取るすべての従業員に適用されます。ただし、軍人・航空・海運・裁判官・公務員は対象外です。また、正社員と非正社員(臨時工など)は原則として同等の義務・権利を持ちます。

項目 日本 カンボジア
労働契約 口頭でも有効 口頭でも有効
労働時間 1日8時間・週40時間 1日8時間・週48時間以内
休憩時間 6時間超で45分以上 1日あたり1時間以内
休日 週1日以上 週1日(原則日曜日)
割増賃金(深夜・休日) 1.25〜1.35倍 2倍
年次有給休暇 勤続6カ月で10日〜 年間18日〜(勤続3年ごとに1日増)
  • 男女ともに1日8時間・週48時間を超えてはならない
  • シフト制の場合は朝・午後の2シフトのみ認められる
  • 未成年者の就業時間は1日8時間以内、就業間隔は最低13時間必要

労働法144条によると、深夜労働時間とは「22時から5時までの間に休憩を含む11時間以上の連続勤務時間」のことを指します(例:20時〜7時勤務など)。従業員が深夜時間に就業を終える場合、雇用主は睡眠場所または帰宅のための交通手段を提供しなければなりません。

時間外労働は特別・緊急の場合のみ認められ、従業員の自発的な同意が必要です。強制はできず、拒否した従業員への罰則も禁止されています。

  • 上限:1日2時間まで
  • 事前許可:労働省から取得が必要
  • 2時間超の残業:15日前までに届出が必要
  • 許可取得の先行期間:最大2カ月先まで申請可能
  • 残業時の食事手当:1日につき2,000リエルまたは無料食事の提供が義務
労働時間帯 賃金割合
勤務日の通常労働(昼間) 100%
勤務日の通常労働(深夜) 130%
勤務日の時間外労働(昼間) 150%
勤務日の時間外労働(深夜) 200%
週休日の時間外労働 200%
祝日の労働 100% + 100%

⚠️ 重要:カンボジアでは管理職であっても残業代の支払い義務が発生します。労働法上、管理職と非管理職を区別する規定がないためです。残業が多い企業は人員計画の見直しが急務です。

月給100米ドルの従業員が昼間に2時間の時間外労働をした場合(月26日勤務として計算):

  • 基本時間給 = 100ドル ÷(26日 × 8時間)≒ 0.48ドル/時間
  • 2時間分の残業手当 = 0.48 × 150% × 2時間 = 1.44ドル

すべての従業員に以下の割合で付与されます。

勤続年数 年間有給休暇日数
1〜3年目 18日
4〜6年目 19日
7〜9年目 20日
所定労働時間/週 月間付与日数
〜48時間 1.5日
〜40時間 1.25日
〜32時間 1日
〜24時間 0.75日

従業員都合で有給が消化できなかった場合、未消化有給は翌3年間、「年間取得有給日数から12日を差し引いた日数」を上限に繰り越せます。

  • 1年目に1日も消化しなかった場合:18日 − 12日 = 6日繰り越し
  • 2年目の有給日数:6日(繰越)+ 18日 = 24日

なお、雇用主都合で消化できなかった場合は上限なく全額繰り越しとなります。また、労働契約期間中の有給買い取りは無効ですが、契約終了時の残存有給は補償金として支払い義務があります

  • 従業員本人の結婚
  • 配偶者の出産
  • 子どもの結婚
  • 配偶者・子ども・両親の病気・死亡

年次有給残日数がある場合は、そこから差し引くことも可能です。

勤続1年以上の女性従業員は90日の出産休暇取得できます。休暇中は給与の50%を支払う必要があります。職場復帰後の最初の2カ月間は軽作業のみに従事させる義務があります。また、出産後1年間は授乳のために1日1時間の権利が認められます。女性従業員を100人以上雇用する場合は、事業所内またはその近隣に授乳室・保育所の設置が義務付けられます。

医師の診断書がある場合、最長6カ月の病気休暇が認められます。給与の支払い義務はありませんが、労働省は企業に以下の社内規則化を推奨しています:

  • 1カ月目:賃金全額支払
  • 2〜3カ月目:賃金の60%支払
  • 4〜6カ月目:支払い不要(勤続年数は加算)
  • 6カ月超の病気休暇:法律に従い解雇可能

カンボジアの雇用形態は大きく以下に分類されます。

  • 正規雇用:無期限に業務に従事する従業員
  • 試用期間中雇用:正規従業員は3カ月、専門職は2カ月、非専門職は1カ月が上限
  • 非正規雇用:短期・季節・周期的な業務に従事する者
  • 見習い:雇用主との徒弟関係(最長2年間、縫製業は2カ月以内)
  • 派遣(アウトソーシング):現時点では具体的な法令・細則なし
  1. 書面による契約(日雇い・パートタイムは例外あり)
  2. 契約期間は2年以内
  3. 正確な開始日・終了日の記載
  4. 更新可能だが、合計2年を超えた場合は自動的に無期雇用契約とみなされる

⚠️ 2年ルールの落とし穴:更新通知を怠ると、有期雇用契約は同期間で自動更新されます。合計雇用期間が2年以上になれば無期雇用とみなされるため、更新管理は厳密に行う必要があります。

契約期間 事前通知期間
6カ月未満 通知不要
6カ月以上1年未満 10日間
1年以上 15日間
契約期間 事前通知期間
6カ月未満 7日間
6カ月以上2年未満 15日間
2年以上5年未満 1カ月
5年以上10年未満 2カ月
10年以上 3カ月

従業員は事前通知期間中、新しい仕事を探すために1週間ごとに2日間の有給休暇取得できます。

無期雇用契約を終了させる場合、**「正当な理由」**が必要です。具体的には以下が判断基準となります:

  • 従業員の技術・資格・態度・適性に基づく理由
  • 雇用主の経営上の必要性に基づく理由

ただし、具体的に何が「正当な理由」にあたるかは明確に規定されておらず、就業規則への記載内容と、企業秩序遵守義務違反行為の有無が判断の重要な要素とされています。

以下の行為があった場合、事前通知なしに即時解雇が可能です:従業員側の重大な不履行の例:

  • 窃盗・横領・着服
  • 採用時・雇用期間中の詐欺行為(偽造文書の提示、怠業、秘密漏洩など)
  • 規律・安全衛生規則への重大な違反
  • 雇用主や他の従業員への暴言・暴行
  • 他の従業員に重大な違反をそそのかす行為
  • 政治的プロパガンダ・デモ活動

⚠️ タイムリミット:過失を認知してから7日以内に解雇、または15日以内に懲戒処分行う必要があります。

① 解雇理由の確認(正当な理由の存在)

② 重大な不履行の場合→即時解雇可能

③ 通常解雇の場合→事前通知期間の確認(勤続年数による)

④ 事前通知の書面発行

⑤ 解雇手当・年功補償・残存有給補償の計算

⑥ 労働終了後48時間以内に全額支払い

⑦ 雇用証明書の発行(従業員からの要求があった場合)

  • 解雇に関わる賠償
  • 損害賠償
  • 事前通知に代わる補償

補償金の計算例(月26日・26カ月間勤務した従業員の場合):直近12カ月の月給100米ドル、時間外手当含む12カ月合計1,768.28米ドルの場合:

  • 12カ月間の平均日当 = 1,768.28 ÷(12カ月 × 26日)≒ 5.67ドル/日
  • 解雇補償(30日分)= 5.67 × 30日 ≒ 170ドル

計算基礎は平均賃金ではなく、報酬・諸手当を含む合計賃金である点に注意が必要です。

2018年6月の労働法89条改正により、無期雇用従業員を対象とした年功補償制度導入されました。これは継続雇用中の従業員に対して毎年支払われる補償で、実務上は大きな財務インパクトがあります。

  • 1年間の雇用につき15日分の賃金年功補償として支払う
  • 6月に7.5日分、12月に7.5日分2回に分けて支払う
  • 雇用期間が6カ月未満でも月割りせず7.5日分の満額支払う義務がある
対象 支払開始 支払基準
縫製業企業 2019年〜 過去の勤務期間1年につき30日分(6月・12月に15日分ずつ)
縫製業以外の企業 2021年〜(予定) 新しい省令発表待ち

⚠️ 実務注意点:縫製業以外の企業の遡及的年功補償については、最新の省令を確認する必要があります。支払い開始時期・日数について変更が生じている可能性があるため、顧問弁護士・社労士への確認を推奨します。

賃金には以下が含まれます: 基礎賃金・残業代・手数料・賞与・補償金・利益分配・現物支給品・家族手当・有給の代償など賃金に含まれないもの:健康手当・旅費

  • 試用期間中(1〜3カ月):月額192米ドル
  • 試用期間終了後:月額194米ドル(前年比+1.0%)

最低賃金の上昇率は低下傾向にあり:2018年(+11.1%)→ 2019年(+7.1%)→ 2020年(+4.4%)→ 2021年(+1.1%)

すべての企業・すべての従業員に対して月2回の給与支払いが義務化されています:

  • 1回目:当月2週目に純賃金(時間外手当等を除く)の50%
  • 2回目:当月4週目に残り50%+諸手当

この規定に違反した場合、労働省より約420米ドル、または裁判所より320〜600米ドルの罰金科せられます。従業員全員の同意があっても罰則が適用される可能性があるため、必ず規定に従った運用が必要です。

手当の種類 支払条件 金額
通勤・住宅手当 月14日以上勤務 7米ドル/月
通勤・住宅手当 月13日以下勤務 3.5米ドル/月
皆勤手当 全勤 最低10米ドル/月(試用期間中も適用)

従業員が8人以上の場合、就業規則の作成が義務です(日本は10人以上)。8人未満でも作成・登録は可能です。

  1. 従業員代表との協議行い内容を決定する
  2. 企業設立から3カ月以内(または8人以上になった日から)に就業規則を労働局に提出
  3. 労働監督官が60日以内に承認し、有効となる
  4. 承認後、従業員に配布し、従業員がアクセスしやすい場所に掲示する
  • 採用条件・試用期間
  • 労働時間・休日・深夜労働・時間外労働
  • 賃金・賞与・各種手当の計算・支払
  • 年次有給休暇・特別休暇・出産休暇・病気休暇
  • 安全衛生措置
  • 従業員の義務と懲戒規則(即時解雇・停職・戒告の基準)
  • 解雇の事前通知期間

1人以上の従業員を雇用する事業者は、会社設立から30日以内にNSSFへ登録しなければなりません。

プログラム 保険料率
労働災害プログラム 0.8%
健康保険プログラム 2.6%

保険料は従業員の平均月額給与(給与・時間外手当・利益分配・褒賞・チップを含む)をもとに計算されます。

① 会社設立(または1人目の採用)

② 設立・採用から30日以内にNSSF登録申請

③ 各従業員をNSSFに登録

④ 毎月の保険料を計算・納付

⑤ 採用・解雇のたびに登録内容を更新

  • 年金制度(老齢・傷病・遺族):現時点では民間は未実施
  • 健康保険:入院・外来・緊急・分娩・リハビリなどをカバー
  • 労働災害保険:職務上の傷害・職業病を補償
  • 失業保険:現時点では整備されていない(解雇手当が実質的な代替)
  • NSSFに登録された企業で就業していること
  • 自身がNSSFに登録されていること
  • 2カ月連続で健康保険料を支払っていること(または直近12カ月中6カ月以上)

カンボジアでは外国人の雇用に制限があり、以下の職種に限り認められています:

  • 事務系の職員
  • 高度の技術を有する職員
  • 熟練の職員

原則として現地従業員が優先されるため、外国人を雇用する理由を明示して労働省に申請が必要です。

  • 外国人比率はカンボジア人従業員の10%以下が原則
  • 10%を超える場合は**従業員割当申請(Quota)**による特例許可が必要
  1. 労働省発行の労働許可証保有していること
  2. 合法的にカンボジアに入国していること
  3. 有効な居住許可を保有していること
  4. 有効なパスポートを保持していること
  5. 健康で、伝染病がないこと

外国人従業員の雇用カードは労働許可証と同一のカードで管理されます。就業発覚時は多額の罰金が科せられるため、許可証の管理は厳格に行う必要があります。

 従業員が8人以上の場合全従業員を代表する従業員代表とアシスタントを選出しなければなりません。会社設立から6カ月以内選出が必要です。

従業員数 従業員代表数 / アシスタント数
1〜7人 不要
8〜50人 1名 / 1名
51〜100人 2名 / 2名
101〜200人 3名 / 3名
201人以上 100人増えるごとに1名追加
  • 就業規則策定時に協議・意見書を提出する権限を持つ
  • 集団解雇の際には助言を求める義務がある
  • 従業員代表の解雇には労働監督官の許可が必要
  • [ ] 月2回の給与支払いを実施した(1回目:2週目、2回目:4週目)
  • [ ] 時間外労働手当を正確に計算・支払った(150〜200%)
  • [ ] NSSFの保険料を計算・納付した
  • [ ] 新規採用・退職者のNSSF登録更新を行った
  • [ ] 残業の労働省許可を事前に取得した(必要な場合)
  • [ ] 年功補償を計算し、支払った(各7.5日分)
  • [ ] 縫製業の場合、遡及的年功補償を支払った(各15日分)
  • [ ] 年次有給休暇の残日数を集計・管理した
  • [ ] 就業規則の内容が最新の法令に準拠しているか確認した
  • [ ] 外国人従業員の労働許可証・居住許可の有効期限を確認した
  • [ ] 従業員代表の任期(2年)を確認し、必要に応じて選出した
  1. 雇用形態(有期・無期・試用期間)
  2. 契約開始日・終了日(有期の場合)
  3. 業務内容
  4. 勤務場所・勤務時間・シフト
  5. 基本給・各種手当の金額と計算方法
  6. 給与支払日(月2回の明記)
  7. 年次有給休暇日数
  8. 解雇の事前通知期間
  9. 懲戒規定への参照
  10. 就業規則への参照・同意

【従業員情報】

氏名:___________

雇用形態:有期 / 無期

雇用開始日:___________

雇用終了日:___________

【直近12カ月の賃金情報】

基本給合計:___________ ドル

時間外手当合計:___________ ドル

諸手当合計:___________ ドル

12カ月合計:___________ ドル

平均日当 = 12カ月合計 ÷(12カ月 × 26日)= ___________ ドル/日解雇補償(30日分)= 平均日当 × 30日 = ___________ ドル年功補償残額:___________ ドル残存有給補償:___________ ドル事前通知に代わる補償:___________ ドル【支払合計額:___________ ドル】

※労働終了後48時間以内に支払うこと

カンボジアで労務管理を行ううえで、特に注意すべき実務ポイントを最後に整理します。

① 残業コストは日本より大幅に高い 深夜・休日の割増率は200%と日本を大きく上回ります。残業が常態化している企業は、人員増強や業務改善による残業削減が財務的に重要です。

② 有期雇用の2年ルールを厳守する 更新通知を怠ると自動更新・無期雇用化のリスクがあります。契約管理システムや台帳での一元管理が不可欠です。

③ 年功補償は資金計画に組み込む 2018年の改正以降、無期雇用従業員への年功補償(年15日分)が義務化されました。月次の積立を含めた資金計画が必要です。

④ NSSFの未登録・未納付は罰則対象 登録・納付漏れは行政罰の対象となります。採用・退職のたびに更新を行う業務フローを確立してください。

⑤ 就業規則は懲戒・解雇の根拠になる 即時解雇の適法性は就業規則の記載内容に依拠します。就業規則を整備・登録していない場合、解雇が無効と判断されるリスクがあります。

  • カンボジア労働法(Labor Law, 1997年・改正版)
  • 社会保険制度法(Law on Social Security Schemes, 2002年)
  • 国家社会保障基金(NSSF)公式サイト:http://www.nssf.gov.kh/
  • カンボジア労働職業訓練省(MLVT):www.fwcms.mlvt.gov.kh
  • 総務省統計局「カンボジア人口センサス」関連資料

本記事は入手可能な情報をもとに作成していますが、法令・省令は随時改正されます。実際の労務対応に際しては、現地の専門家(弁護士・社会保険労務士)へのご確認を強くお勧めします。

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松木 祐里香