ミャンマーにおいて半年近く続いてきた車両の走行規制が、このたび撤廃されることとなりました。現地で事業を営む企業にとって、日常の車両運用に直結する変更となります。もっとも、規制のすべてが解除されたわけではない点には留意が必要です。
走行規制の撤廃について
大統領府のカイン・カイン・ソー報道官は9月9日、ナンバープレートの数字に応じて走行可能日を分ける奇数・偶数日制を、同日付をもって撤廃すると発表いたしました。
これにより、日付による走行制限は解消され、車両の運行は従来どおり自由に行えることとなります。
規制の経緯
本規制は、国家国防・治安評議会が2026年3月3日に発表し、同月7日から実施されていたものです。
導入の背景には、中東における軍事衝突に伴う燃油供給への影響がありました。燃料消費の削減とエネルギー安全保障の確保を目的として、奇数番号の民間車両は奇数日、偶数番号の車両は偶数日に限り走行を認めるという運用がなされてきたものです。
なお、電気自動車および電動二輪車、公共バス、タクシー、燃油輸送車、建設車両、貨物車、救急車などについては、当初より対象外とされておりました。
撤廃に至った理由
報道官の説明によれば、本規制には一定のエネルギー節約効果が認められた一方で、国民の移動および車両利用に支障をもたらしていたとのことです。
国内のエネルギー事情が安定し始めたことを踏まえ、国民の利益を考慮したうえで撤廃を決定したと説明されております。
給油に関する規制は継続
ここで重要となるのは、走行規制が撤廃された一方で、給油に関する諸規制は引き続き有効であるという点です。
第一に、給油時の奇数・偶数日制は継続されます。2026年3月7日に導入された、奇数番号の車両は奇数日、偶数番号の車両は偶数日に給油できるという制度に変更はございません。
第二に、バーコードおよびQRコードによる燃油購入管理も継続されます。エネルギー省は3月12日より、四輪車については車両税納付証明書のバーコードを、二輪車については登録情報を基に発行されたQRコードを給油時に読み取り、車両ごとの購入実績を管理する運用を開始しております。
第三に、週間購入枠の制限も存続いたします。同制度は3月27日に改められ、車種および排気量に応じた購入上限が設定されました。乗用車の場合、排気量2000cc以下は35リットル、2001cc以上3000cc以下は40リットル、3000cc超は45リットルとなっており、いずれも週2回に分けて給油する方式が採られております。
企業実務上の留意点
今回の措置により、営業活動や従業員送迎などにおける車両運用上の制約は、相応に緩和されるものと見込まれます。これまで日付に応じて訪問日程や送迎スケジュールを調整されていた企業におかれましては、運用の自由度が回復することとなります。
もっとも、給油可能日および週間購入枠の制限は継続いたしますので、社用車等の給油計画については引き続き適切な管理が求められます。
とりわけ、走行制限の解除に伴い燃料消費量が増加することが想定されるため、従前の感覚のまま運行を行った場合、週間購入枠に抵触し、週の後半に車両が稼働できなくなる事態も起こり得ます。複数台の社用車を保有される企業におかれましては、各車両のナンバー構成、給油可能日、消費ペースについて、あらためてご確認いただくことをお勧めいたします。
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東京コンサルティングファーム ミャンマー拠点
渡辺 晃