皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ、ミャンマー拠点の渡辺 晃です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「【ミャンマー進出・ビジネス環境】ASEANと軍政、5年ぶりの対話は関係改善につながるか 」についてお伝えします。
バンコクで起きた「異例」の会談
026年7月12日、タイ・バンコクにて、注目すべき外交上の動きがございました。
本記事では、5年ぶりに実現したASEANとミャンマー外相の会談の背景、アウンサンスーチー氏の処遇、および日系企業のビジネスリスクへの影響について解説します。
ミャンマー外相ティン・マウン・スウェ氏が、ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国の外相らと、実に5年ぶりに会談したのです。2021年のクーデター以降、ASEANはミャンマーをサミットの場から除外してまいりました。
その理由は明確で、「暴力を停止し、全当事者による対話を行う」という約束(通称:五項目合意/Five-Point Consensus)を、ミャンマー軍がほとんど履行してこなかったためです。
それでは、なぜ今回、会談が実現したのでしょうか。
きっかけは「新政権」の発足
本年4月、ミャンマーでは軍を後ろ盾とする新しい文民政権が発足いたしました。
この新政権は、ASEANとの関係を本格的に正常化させたい意向のようです。
会談後にミャンマー外務省が発表した声明でも、「ASEANへの完全かつ対等な参加の回復」
という文言が用いられております。
つまり今回の会談は、ミャンマー側からの関係修復の働きかけに、ASEAN側が応じた形と言えます。
タイのシハサック外相は、この会談を「アイスブレーカー(緊張をほぐす場)」と表現しました。
関係はいまだ冷え込んだままであるものの、一歩を踏み出したという意味合いが込められているものと考えられます。
会談で取り上げられた議題
会談は非公式な形式で行われ、カンボジアを除くほぼ全加盟国の外相や高官(マレーシア等)が参加いたしました。
ミャンマー側からは、以下の点について説明がなされたとのことです。
- 軍による和平への取り組み状況
- アウンサンスーチー氏の現状
- 国境を越えた詐欺・人身売買・薬物密売への対策協力
アウンサンスーチー氏の処遇について
会談で特に注目を集めたのは、アウンサンスーチー氏の処遇に関する議論です。
2021年のクーデターで拘束されて以来、同氏は拘束・軟禁状態が続いております。
5月には刑務所から自宅軟禁へ移されたとの発表がありましたが、その後、ASEAN特使を務めるフィリピンのラザロ外相からの面会要請は、これまで拒否され続けております。
会談において、ミャンマー側は以下のように説明したとされています。
「彼女は親族のような、姉のような存在です。ですから私たちが責任を持って世話をいたします」
ただし、これはあくまで説明にとどまり、実際の面会が実現したわけではございません。
ASEAN側も「健康状態を自らの目で確認したい」との考えを強調しており、依然として懸念は残されている状況です。
対話再開への批判
一方で、今回の会談には批判の声も上がっております。
人権団体であるASEAN議員人権連合(APHR)は、「ASEANは軍政の策略に陥ってはならない」と警告いたしました。
また、対立するミャンマー国民統一政府(NUG)も、以下のような懸念を表明しております。
「現在ASEANが直面している本質的な課題は、外交的関与の不足ではありません。
軍政が、自ら受け入れた五項目合意の履行を、意図的に拒み続けていることにあります」
実際、ミャンマー議会は先週、五項目合意そのものをASEANによる内政干渉であるとして拒否する決議を可決したばかりです。表面上は関係改善を望みながらも、肝心の合意履行には後ろ向きな姿勢がうかがえます。
それでも対話を選択したASEAN
こうした矛盾を抱えつつも、ASEAN側は対話継続の方針を選びました。
ラザロ外相は「一度にすべてが解決するものではありません。これは進展していくプロセスです」と述べ、年内に2度目のミャンマー訪問を計画しているとのことです。シハサック外相も、「今回の関与プロセスは、基本方針の変更を意味するものではありません。
ただし、現実的に何が達成可能かを見極めるための対話であることは事実です」と説明しております。
さらに、会談翌日には、ラザロ・シハサック両氏がミャンマーの少数民族武装勢力とも非公式に接触したとのことです。
人道支援や対話促進のあり方について、水面下での調整も進められている模様です。
ミャンマーでのビジネスは、東京コンサルティングファームにご相談くださいミャンマーへの進出・事業継続をお考えの企業様に向けて、東京コンサルティングファームでは会社設立から会計・税務・法務・労務対応、そして撤退支援に至るまで、経営に関わるあらゆる局面をワンストップでサポートしております。
現地の制度変更や規制動向を踏まえた実務対応はもちろん、今回のような地政学リスクを見据えた経営判断のサポートも承っております。ミャンマーでのビジネスに関するご不明点・ご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
拠点名:ミャンマー
氏名:渡辺 晃
東京コンサルティングファーム ミャンマー拠点
渡辺 晃