【メキシコ編】海外進出で考えたい現地法人においての昇給制度

 

世界経済がグローバル化する中で、優秀な外国人を獲得し、
海外のリソースを求めて海外進出を行う企業様も増えているのではないでしょうか。

 

メキシコはGDPの順位も15位(2017年)と、
中南米ではブラジルに次いで今後の成長も期待できる国です。
特に自動車生産台数は世界第7位と、
大手自動車メーカーが続々と進出し発展を遂げている国でもございます。
現在メキシコにおける日系企業数合計は2017年時点で1,117社となっています。

そんな中、メキシコ進出を既にされている企業様の中にはこんな声があります。

「現地スタッフの昇給についてどうしたらよいでしょうか?」

「既存の昇給制度に不満をもった優秀な現地スタッフが転籍してしまう…」

もしかしたら皆様の中にもこんなお悩みの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はメキシコにすでに進出されている企業様向けに、
適正な昇給制度の構築方法をご紹介できればと思います。
いかにメキシコ人にモチベーション高く業務に取り組んでもらい、
いかに早くローカライズ化させた組織をつくるカギとなるのは昇給制度だからです。

 

1.昇給制度の前にそもそものメキシコの企業文化を理解できていますか?

まず実際の昇給制度についてお話する前に、
働いているメキシコ人そしてメキシコの企業文化を理解が出来ていなければいけません。
なぜならば当然ながら国が違えば、人が違い、
文化が違い、習慣が違い、労働に関する考えも違うからです。

日系企業では、

「新卒一斉入社」
「終身雇用」

といった思想のもと、最初に入社した会社にて
未経験の状態からビジネスの基礎を学び、
長期的に経験を積んでいくことが一般的となります。

 

対してメキシコは、
新卒未経験で正社員雇用をする企業は殆ど無く、
多くの学生は、自分の専門分野を活かせる企業にて
インターンシップ等で実務経験を積んでから、その後正社員として就職をします。

また、メキシコは労働者保護の考えがとても強く、
労働法などの法律も、比較的労働者が有利となるように定められております。

 

そのためメキシコ人は、

「企業や社会のために働く」
というよりも、
「自分の生活を守るため」
「より高い報酬を得るために知識や経験を積む」
という思考で転職を繰り返す方が多くいらっしゃいます。

 

その上、自己に対する評価も高い傾向にあるため、
会社からの評価や報酬額に納得せず、不平不満を申し立ててくるケースもございます。

メキシコ人は知識や経験を兼ね備えた優秀な人材も多くいる反面、
そういった方ほど高額の給与や手当を求める傾向がございます。
また、日系企業では知識に加えて部下を育てられるマネジメントスキルを持った者が
管理職の人間として重宝される一方で、
メキシコではマネージャー=知識や経験が多い者といった印象が強いといわれております。

こうした前提が理解できていなければ、
昇給制度を整えたところでモチベーションが維持できず、
組織としてもうまくマネジメントができないという結果につながりますので、
進出前であれば事前にメキシコの基礎知識を理解することは重要になります。

 

2.昇給制度の本質とは?!

みなさまは昇給制度の目的をどうお考えでしょうか。
多くの企業様にとって昇給制度の目的は

社員の成果や努力を給与というかたちで反映させ社員の働くモチベーションを高めていく

という認識でいらっしゃるのではないでしょうか?

ずばり「正解」です。

ではさらに深く考えましょう。

昇給制度によってモチベーションが高まった社員に、
どういうことを企業様は望みますか?

これは私の考えも入りますが、「より会社の業績に貢献して欲しい」
ということではないでしょうか。

言い換えれば

「より顧客に価値を届けて欲しい」
「より社会に貢献して欲しい」

ということにもなります。

つまり昇給制度の本質は、単純に社員の給料をあげるためだけではなく
「顧客や社会に貢献できる社員を生み出す」ための制度であると言えるはずです。

 

3.どういった昇給制度がメキシコで有効なのか?

前述した通り、メキシコにおける企業文化は日系企業の企業文化とかなり違いがあります。
つまり今回のテーマである昇給制度についても日本の親会社で取り入れている制度と
同じ昇給制度を用いてもうまくいかないということが大いに考えられるわけです。

では具体的にどのような昇給制度が良いのでしょうか?

それは・・・

経営理念や戦略を理解した社員が自ら設定した目標を、
社員自らの頑張りで達成してもらい、それを絶対評価で昇給につなげる制度です。

つまり昇給制度と人事評価が合わさった制度になります。

メキシコ人が自分の部下を教育し、将来メキシコを引っ張っていく人材になるためには
周りと協力した柔軟な対応や自分の業務範囲を超えていく必要があります。
そのためにはその会社の社員としての考え方=経営理念や
会社の戦略を理解してもらうことが不可欠です。
理解してもらうことができればまず企業文化の壁を超えることができます。
これは多くの企業様でもまずは実践していただきたいところではあります。

 

昇給制度の構築方法については、専門性が問われますので
残念ながら今回のブログではすべてをお話することはできません。

詳細に関して知りたい方はお問合わせいただければと思います。

ぜひみなさまのメキシコビジネスを加速させるためにも昇給制度を
よりよく設定し、組織マネジメントに役立てていただければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
清水皐

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