こんにちは、中国・上海の田中竜一です。
今回は、最近改訂された外商投資産業指導目録に関してお伝えします。
2017年6月28日、国家発展改革委員会及び商務部によって「外商投資産業指導目録(2017年改訂)」(以下「2017年版目録」)が公布されました。本目録は、中国国内での外国資本に対する規制産業を示したものであり、今回の改訂は、1995年に初めて公布されて以来、7度目の改訂となり、2017年版目録の公布によって、これまで適用されていた2015年版目録は廃止されることになります。
2017年版目録における主なポイントは以下の3つです。
外商投資の促進
2015年の改訂に引き続き、国外からのさらなる投資を呼び込むため、中国政府は規制の緩和を進めています。目録においては、該当する産業を奨励・制限・禁止の3種類に分けてそれぞれ記載していますが、2017年版目録では奨励産業が348項目となっており、2015年版と比較して増えています。また、一部の項目については、内容に修正が加えられているものも見られます。
規制項目の削減
奨励産業の増加だけでなく、制限・禁止産業項目の削減も行われました。2015年版目録では合計74項目あったのに対し、2017年版目録では63項目まで減少し、奨励産業においても、一部の産業に対して設けていた中国持分の制限を削除しています。
ネガティブリストの制定
2017年版目録で定められた項目が正式にネガティブリストとして採用されることになります。2016年10月以降、国外からの出資に対しては商務委員会への届出制が実施されておりますが、ネガティブリストが制定されたことにより、目録に記載された項目を根拠に判断がなされます。
次回は、改訂による注意点を取り上げて解説したいと思います。