こんにちは、中国・上海の田中勇です。
本日は上海コンビニ事情についてお話しします。
上海を歩いていると、コンビニが多くあることに気づきます。競合のコンビニが並列しているところもあります。コンビニの店舗としては、ファミリーマートと快客(中国系大手コンビニ)をよく目にします。ここで、実際に上海のコンビニの市場の状況はどうなっているのか。さらに、今後、上海のコンビニどのように変化していくのかについてお話しします。
まず、上海におけるコンビニは、大きく2つに分類できます。日系コンビニと中華系コンビニです。日系コンビニの店舗数としては、「ファミリーマート」(全家)が約640店、「ローソン」(罗森)が約320店、「セブンイレブン」(7-11)が約100店あります。中華系コンビニとしては「快客」約2,000店、「可的」約1,200店、「好徳」約1,120店、「喜士」約600店、「良友」約500店です(上海の雑誌:コンシェルジェ)。下記がコンビニの店舗数から見たシェアの図です。図を見ると8割以上が中華系であることがわかります。しかしながら、売上としてみると、中華系コンビニは日系と比べ半分しかありません(上海便利店行业:看不见硝烟的战场)。また、利益率も日系コンビニの方が高い傾向にあります。
その背景としては、中華系コンビニの市場シェア拡大主義であるのに対し、日系コンビニは利益至上主義であることが考えられます。つまり、今の上海のコンビニ市場は、日本の高度経済成長期に非常に類似しているのです。日本においても、多くの日系企業が売上を重視していた時期があったのです。それは、ダイエーなどに代表されるような売上高至上主義です。
今後、上海のコンビニは、量から質への転換が起きるだろうと私は考えております。それは、日本でも量から質への転換が起きた時期があったからです。タクシー市場規模が縮小してきているのにも関わらず、MKタクシーが売上を伸ばし続けてきているのはなぜでしょうか。それはMKタクシーの運転手のサービスの質が向上したからです。MKタクシーのように徹底的に社員教育を行い、サービスの質を高めれば、差別化につながります。その差別化が成功の一つの重要な要因になるであろうと私は考えます。
以上です。