バングラデシュのIT産業

バングラデシュの産業と言えば、第二次産業の製造業、特に縫製やアパレルといった分野が有名です。ご存知の通り、ユニクロやH&Mといったファッションブランドの多くがバングラデシュで作られています。アパレル産業での年間輸出額は、およそ160億USD で、バングラデシュは中国に次ぐアパレル産業大国です。

 

最近、第二次産業に次いで増えてきたのがIT産業を始めとするサービス業です。バングラデシュ政府もIT産業拡大のために<デジタル・バングラデシュ>というコンセプトを掲げ、税法上も様々な優遇政策を設けています。

 

国民一人当たり所得が、10年前対比で130%増加しているバングラデシュでは各種市場の急成長が予想されます。これは、現在の平均所得が10年前の平均所得の2倍以上であることを表しています。(日本の場合10年前対比での上昇率が3%)

 

現在のバングラデシュ国内でのスマートフォン保有率は25%ですが、所得の上昇に伴って今後スマートフォンを始めとするIT機器類の市場にも影響がありそうです。

 

IT産業の成長に伴いバングラデシュの首都ダッカを中心にアプリを使用したサービスが盛んになっているのでそちらについて紹介します。

 

バングラデシュでは、生活用品や食材の購入の際に『Chaldal』というアプリで宅配サービスを利用することも可能です。イメージとしては、生協やアマゾンのように商品を選択し指定した時間と場所に商品を届けてくれるというものです。

また、ファストフードの総合ポータルサイトアプリ『Foodpanda』では、バングラデシュ国内の650点以上のレストランのメニューの宅配サービスを行っています。日本で宅配サービスを複数注文する場合、各店舗に宅配サービスを依頼する必要がありますが、Foodpandaでは650店舗以上のメニューと宅配所要時間、値段を一度に比較し選択することができます。

 

宅配サービスアプリの他には、移動手段で使用されるアプリ『Uber』があります。日本のようなタクシーの概念がないバングラデシュではUberは画期的なアプリと言えます。Uberはアメリカで使われているものと同じシステムなので、特に外国人の場合、言語の壁や金額をごまかされる可能性が低いという理由から利用者も増えています。利用金額は、日本のタクシーよりもはるかにリーズナブルであることから更なる利用者の増加が見込まれます。

 

現在のバングラデシュの産業は国外向けがほとんどですが、今後国内マーケットに目を向けた場合、バングラデシュの一人当たり所得の増加と並行して、バングラデシュ国内のIT産業の成長と同時にそれに伴う様々なサービス業も盛んになることが期待されます。

 

 

以上

 

Tokyo Consulting Firm Limited

 

齋藤かおり

 

Tel: +880-1777-961437

 

E-mail saito.kaori@tokyoconsultinggroup.com

 

 

 

 

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