ベトナム会社設立・登記
目次
ベトナム進出形態・進出方法
ベトナムでビジネスをするためには事業拠点を設置する必要があり、主に4つの形態があります。2020年投資法(以下、投資法)21条には、主に以下の投資形態が規定されています。また、下記の直接投資とは別の進出形態として、駐在員事務所と支店もあります。これらの中で最も一般的な投資形態・進出形態は、現地法人および駐在員事務所になります。
【直接投資による形態別特徴】
形態 | 特徴 |
経済組織の設立 | 有限会社、株式会社、合名会社、私営企業の4種類がある |
経済組織への追加出資、 株式・持分の買収他社との合弁会社 |
ベトナム現地企業への出資、ベトナムの現地企業との共同出資による合弁形態による進出 |
BCC契約 | 法人を設立することなく、契約に基づく形態。石油・ガスなどの天然資源の採掘、または、インフラ施設の建築事業などが主である。 |
PPP契約 | 投資家、プロジェクト企業、インフラストラクチャ構造物や公的役務の投資プロジェクトを実施するため、権限を有する国家機関と契約を締結することができる。 |
【進出形態別特徴】
形態 | 特徴 |
駐在員事務所 | 調査業務、連絡業務がメイン。 自己名義で売買契約・輸出入手続、収益の計上させる取引は一切できない。 |
支店 | 定款に定める範囲で活動可能。 資本金規制のある金融業が支店の形態を取っていることが多い。 |
現地法人
ベトナム国内に法人を設立する場合、2021年1月施行の企業法に基づいた法人の形態は有限会社、株式会社、合名会社、私営企業の4つがあります。
日本企業を含めた外国企業は、有限会社の形態で進出しているケースがほとんどです。株式会社は、最低3名以上の出資者が必要であることなどから一般的ではありません。無限責任を負う私営企業や、合名会社で進出している外国企業はほとんど見られません。
有限会社は、社員数が1名である一人有限会社と、2名以上である二人以上有限会社があり、それぞれ機関設計が異なります。いずれの有限会社とも、出資者である社員は法人でも個人でも認められますが、社員の総数が50名を超えることはできません。社員は、企業への出資額の範囲内で、企業の債務およびその他財務義務に対して責任を負います。
■一人有限会社
一人有限会社とは、出資者が1名の有限会社です。最も簡素的な機関設計は、委任代表者1名を選任する方法です。この場合、委任代表者1名が会長・社長および監査役を兼務し会社の意思決定を行います。また委任代表者を複数選任することも可能です。この場合は、委任代表者は社員総会に参加し、社員総会の決議によって会社の意思決定を行うことになります。
会長(委任代表者が複数の場合は社員総会)は、通常の業務執行を行う社長を選任します。
会社の法的代表者(サイン権者)のうち最低1人はベトナムへ常駐することが義務付けられているため、30日以上ベトナムを不在にする場合は、文書で他者に権限を委任し(企業法13条3項、5項) 現地に赴任する者を選任しなければなりません。
■二人以上有限会社
二人以上有限会社とは、出資者が2名以上の有限会社です。出資者は最大50名までとされており、それを超えることはできません。出資者全員で構成される社員総会で基本的事項についての意思決定を行い、業務遂行は社長が行います。
会社の法的代表者は、定款で定めることにより会長または社長を任命することができます。会社の代表者がベトナムに居住することを求められる点は一人有限会社と同じです。
また、一人有限責任会社、二人有限責任会社のいずれの場合でも、国有企業または国有企業の子会社である場合を除いて、監査役・監査役会の設置は任意とされます。
■株式会社
株式会社は、株主数は最低3名必要ですが上限はありません。株主は組織でも個人でもよく、出資する株式の引受額の範囲内でのみ責任を負うことになります。
日本で最も馴染みのある会社形態が株式会社です。しかし、ベトナムの株式会社は株主が3名以上必要であることや、創立株主は20%以上の普通株式を保持していなければならないことなど、前述の有限会社と比べて複雑な機関設計を必要とするため、外国企業にとってはあまり一般的ではありません。
駐在員事務所
駐在員事務所は法人や支店と異なり、その活動内容が限定されます。具体的には、本社との連絡業務、事業案件締結の促進、市場調査の実施、ベトナムのパートナーと締結した契約についての履行状況に関する監督業務等を行います。
駐在員事務所は営業活動や売買活動といった営利を発生させるビジネス活動を行うことは認められていません。いわゆる本社の代理人としての活動に限定されます。
駐在員事務所の設立条件として、本国で会社登記後1年以上の事業活動実績が必要です。設立の手続は現地法人と比べると非常に簡素です。また、駐在員事務所の活動期間は最長5年と規定されており、延長する場合は更新の手続が必要となります。
支店
支店の活動範囲は設立許可証に記載された活動が主で、条件付投資分野に該当する場合には特別法に定める活動とされています。投資申請時に許可されたものに関しては営利活動を行うことができます。
支店の設立条件として、本国で会社登記後5年以上の事業活動実績が必要です。支店の活動期間は最長5年と規定されており、延長する場合は更新の手続が必要となります。
支店の設置は、実務上、まだ不透明な部分が多く、資本金規制がある銀行などの金融業界に限られています。なお、ここでいう支店とは外国法人の支店であり、ベトナム現地法人の支店とは異なります。
現地法人設立スケジュール
駐在員事務所設立
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