いつもお世話になっております。東京コンサルティングの早川でございます。2018年レバラン明けより突如導入された許認可統合システム「OSS(Online Single Submission)」。これにより、どのようなトラブルが起きているのか、これまでと違って注意しなければならない点は何なのかをご紹介します。
<ほかの省庁との連携不足>
OSSは、許認可統合システム、と呼ばれるくらいですから、投資調整庁だけでなく、税務局、社会保障機関などの、どの企業も共通して関連することになる省庁や、運輸省、環境省といった、事業ごとに関連が必要となってくる省庁がもともと管轄していたライセンスも、このOSSシステムを窓口として、全て発行されることが我々企業側の期待であり、またOSSが運用開始された理由であります。
(インドネシアでは)当然ながら、このような省庁の規制がこのOSSシステムに瞬時に反映されることはありません。そのため、OSS担当官は必要だと言ったが、地方当局は必要ではないといった…などの矛盾が生じます。
そのおかげで何か(増資や移転、ライセンス更新等)の手続きが進まない、という場合には、(もちろんケースバイケースですが、)その旨を正直に記載したレターを作成し、その担当官から署名を得ることで、次の手続きに進めることがあります。
もっと困るのは、担当局同士が連動しているはずなのにシステムエラーが起きてしまっているときです。ある企業様の例では、登記情報の変更のためOSSにて手続きを行ったところ、税務局がシステムで管理している情報をベースに、「法人税の確定申告が期日までにできていない」という理由で、OSS手続きが止まってしまったとのことです。しかし実際には確定申告は行っている。
確かにかつての、外資企業の登記情報を管理していた投資調整庁(BKPM)システムでも、税務局と連動し、例えば未申告や税金の滞納がある人が取締役や株主になろうとするとエラーが出る場面がありました。
しかし、今回の場合はその誤作動が起こってしまったわけです。こうなりますと、解決するには担当官に掛け合うしかない。その際には、いくつかのアンダーテーブルフィーにも目をつむらなければいけません。
ライセンス登録、更新など、特にお急ぎでなくても、早め早めに登録をすることをお勧めいたします。。何か不具合があったときに、レターや相談の時間が必要だということを加味してスケジューリングすることをお勧め頂います。
ご参考になれば幸いです。
早川 桃代