皆さん、こんにちは。インドネシア駐在員の安藤です。
先日BKPMより、3時間投資手続きについて補足説明がありましたので、ご紹介いたします。
そもそも3時間投資手続きとは、BKPM長官令2015年第14号にて施行された、特定事業の投資実現を早めるためのサービスです。
これに該当すれば投資許可を3時間以内に取得でき、建設許可、環境許可を所有する前に建設工事を開始でき、これらのライセンスは同時並行で取得することができるという、申請から一気に工場建設まで行うことができる特別待遇を受けることができます。
ただし、この条件は「投資額が1,000億ルピア以上」且つ/または、「インドネシア人従業員が1,000人以上」というもので、大規模投資にのみ開かれたものでした。
これに対応するために、2016年第6号が新たに施行され、本条件が緩和されましたが、現時点で、日系企業の使用は150社中3社と少ないため、今回改めて2016年第6号についてBKPMより補足説明が行われました。
「2016年第6号にて追加された、3時間投資手続きを使用できる条件」
a. 投資額が 1,000 億ルピア以上
b. インドネシア人従業員が 1,000 人以上
c. 第 a 号と第 b 号に留意して工業大臣が定める法令に沿って国内 FTA(自由貿易協定)の 資格を得た特定工業、場所
d. 生産される製品を使用する企業からのサプライヤーとしての宣誓書又は同意書の提出を条件とし、特定工業分野でサプライ・チェインに連なっている企業
e. 経済特区に所在する企業 及び又は
f. 以下分野のインフラ・プロジェクト 1. 以下の鉱物資源エネルギー分野;1カ所で 10MW 超の発電事業(KBLI35101)、事業地域、 売電事業分野を定めた送電(KBLI35102)、配電(KBLI35103)、地熱発電(KBLI06202)、 と事業地域を定めた発電(KBLI35104)、石油と天然ガス下流暫定事業
2. 以下の通信情報分野;有線通信事業(KBLI61100)、無線通信事業(KBLI61200)、通信 衛 星 通 信 事 業 (KBLI61300) 、 通信サービスに統合された通信網運営業 (KBLI61100,61200,61300)、コミュニケーション・システム・サービス(KBLI61922) 公衆電話インターネット・サービス(KBLI61923)その他のマルチメディア・サービス (KBLI61929) ( イ ン タ ー ネ ッ ト ・ サ ー ビ ス ・ プ ロ バ イ ダ ー (KBLI61921) 、 プレミアム・コール・サービス(KBLI61911)とその他の付加価値通信サービス通信業 (KBLI61919))
3. 以下の運輸分野;鉄道業(旅客輸送業)(KBLI4944)、その他の鉄道業(KBLI4945) 港湾サービス業(KBLI52221)、空港サービス業(KBLI52230)
4. 以下の公共事業・国民住宅分野;高速道路業(KBLI52213)、水源・灌漑業(KBLI3600136002)、飲料水(KBLI36001-36002)、汚水業(危険物以外) (KBLI370011)危険物を 除く廃棄物処理業(KBLI37021)、ごみ処理システム業(危険物を除く廃棄物回収業) (KBLI38110)と危険物を除く廃棄物投棄業(KBLI38211 マネージメント)
⇒一見、大規模投資およびインフラプロジェクトのみのように思えますが、以下の条件に注目頂ければと思います。
d. 生産される製品を使用する企業からのサプライヤーとしての宣誓書又は同意書の提出を条件とし、特定工業分野でサプライ・チェインに連なっている企業
1,000億ルピアの投資、1,000人のインドネシア人雇用を満たさなくても、本条件をクリアしている大規模企業へのサプライチェーンに含まれている企業ならば、この3時間投資
手続きを使用することが可能です。サプライチェーンに含まれていることを証明するには、この大規模企業からの宣誓書を持参することが求められています。
これにより、例えば自動車のスペアパーツ等を製造する会社でも、この宣誓書があれば、3時間投資手続きを利用でき、BKPMの別室で3時間お茶を飲みながら、投資許可が下りるのを待つことでできます。
以上です。
【問い合わせ先】
PT. Tokyo Consulting
安藤 麻衣(Ando Mai)
ando.mai@tokyoconsultinggroup.com