インドネシア人の印象を日本人に聞くと、しばしば、「彼らはお金のことしか考えていない」「常に人を騙す気でいる」「だらしない」などと返答が返ってくる。確かに、日本人と比べたら時間にルーズであったり、お金のためだけに働く人は多いのかもしれない。しかし、インドネシア人は皆そうであると決めつけたり、日本人の価値観と合わないと言ってしまっては、彼らをマネジメントすることはできないだろう。また、インドネシア人からの日本人の印象を聞いてみると「なぜいつも単独で行動するのかわからない」「どうして皆一人で食事をするの?」といった、日本人の理解しがたい性格についていくつか話が挙がった。インドネシア人はもっと日本人とコミュニケーションを取りたいと思っているのだ。こちら側から歩み寄る姿勢を見せなければインドネシア人との距離は離れる一方である。
私たちは、お互いを認め合うことが何よりも大切である。これは、決して難しいことではない。なぜならインドネシア人は、日本人と同じ農耕民族であり家族との時間を大事にしたり、人に優しく接したりといった日本人とかなり似たものを持っている人種だからである。普段のコミュニケーションや食事の時間を意識的にとり、楽しい時間を共有しあい、会社や社員同士に帰属意識を芽生えさせることが何よりも大切である。
当社のローカル社員定着率は、お陰様で95%にまで登った。
その理由は、日本人の考えを押し付けるのでなく、ローカル社員の主張もしっかり聞くこと。日本のオフィスのようなピリピリした雰囲気でなく、少々盛り上がってうるさくなっても許容する文化が根付いていることなどではないだろうか。
最後に、先日ディスカッションでモチベーションについて話す機会があった。
そこで、ローカルスタッフが「何よりも笑顔の時が一番モチベーションが上がる。上司から笑顔で依頼されたことは快く引き受けられる」と話してくれた。インドネシア人の取り柄である笑顔を日本人も常に心掛けていくことが、インドネシアで会社をマネジメントする上でかなり重要な要素になってくるのではないだろうか。
インドネシア駐在員 須田