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東京コンサルティンググループ、インドネシア法人にて勤務しております、内野能活です。
今回は「インドネシアの取締役(会)」についてです。
取締役(会)は、株主総会により選任された、会社の意思決定機関です。
国籍等の要件はありませんが、それぞれ、人数、任期、資格等、詳細 について定款にあらかじめ定めておく必要があります。
【注意点】
- 取締役が1名の場合には、その1名で取締役会が構成されます。コミサリスの場合も同様。
- 具体的な任期は明文規定がありませんが、再任は可能です。
- 選任や解任の方法、手続などは定款で規定します。
この要件に該当する取締役が選任された場合は、他の取締役または監査役がその事実を知った時点から法的に無効となります(95条1項)。
この場合、取締役会または監査役会は、その事実を発見してから7日以内に、その取締役選任の取消しを新聞に公告するとともに、法務人権省に報告しなければなりません(同条2項)。
■取締役の選任・解任
先述のように、取締役の選任および解任は、株主総会において決定されます(94条)。
ただし、取締役が不適当と認められる場合、監査役は、取締役の権限を一時的に停止する権限を与えられています。
その間に、新たに、株主総会を開き、既存の取締役の解任、新たな取締役を選任することが可能となります。
なお、以下に該当する者は取締役にはなることが出来ません。
- 法人
- 行為無能力者
- 5年以内に以下の事由に該当した者
・自己破産した者
・自己が取締役またはコミサリスであった会社が破産し、当該破産の責任がある旨、認定された者
・国家の財政とそれに関連する金融部門の双方又はいずれかに損害を与え、刑事罰を受けた者
この要件に該当する取締役が選任された場合は、他の取締役または監査役がその事実を知った時点から法的に無効となります(95条1項)。
この場合、取締役会または監査役会は、その事実を発見してから7日以内に、その取締役選任の取消しを新聞に公告するとともに、法務人権省に報告しなければなりません(同条2項)。
■会社と取締役の関係
取締役には、会社に対する善管注意義務・忠実義務が要求されますが、同様に利益相反関係となる場合にも、当該取締役は会社を代表することができません。
■取締役の報酬
取締役の報酬額は株主総会の決議によって規定されます。当該決議には、金銭による報酬の他、手当・賞与、住宅など一切の報酬が含まれます。
なお、会社と取締役の関係はあくまで委任・準委任契約となります。従って、取締役には労働法上の規定が適用されません。
■取締役の責任
取締役には善管注意義務・忠実義務が要求されますが、これに反して会社に損害を与えた場合には、会社に対し損害賠償責任を負います(97条3項)。
もっとも、以下に該当する取締役には、当該責任が免除されます。
- 当該損害が、取締役の任務懈怠によるものではないこと。
- 当該取締役が、信義に基づき、かつ会社の設立趣旨及び目的に従って、会社の利益のために業務執行を行ったこと
- 当該損害の原因となった業務執行に関し、直接・間接的に利益相反関係になかったこと
- 当該損害発生を防止する措置をとったこと
なお、会社法上は取締役の第三者に対する責任は明記されていませんが、民法上不法行為責任が成立する場合には、当該責任を連帯して負うことが裁判例により認められています。
■外国人取締役の常駐の必要性
外国親会社からインドネシアへ進出し法人設立される際、常駐の必要性については会社法上では明確に示されておりませんが、取締役はインドネシアへ常駐する必要性がございます。
税務申告書などの毎月発生いたします税務書類へのサインは原則取締役しかできません。
また保税工場・保税倉庫の認可取得および更新や、輸入業者では輸入業者認定書のサイナーなど、取締役にしかサインできない書類が多々あることと、併せ取締役本来の役割である現場の経営をおこなうことを全うするためにも常駐する必要があります。
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内野能活