こんにちは、中国・上海の田中勇です。
インターネットについてお話しします。私は先週から上海赴任となりました。上海は活気があっていいところですが、不便に感じていることが一つあります。それはインターネットで閲覧不可能なサイトが多くあることです。言わずと知れたインターネット規制ですが、実際に体験してみるとかなり不便です。CNN等の海外ニュースの動画は観ることができません。また「ジャスミン革命」「天安門事件」等で検索されたサイトの大半も、閲覧することができません。
中国のインターネット規制について、現地の方に聞いてみました。すると、彼らはあまり気にしていない様子でした。「仕方がない」「政府がやることだから」といった反応だったのです。
私は経済発展において、情報収集力(ITリテラシー)が重要なKFSになると考えております。過去、韓国においては1998年のアジア通貨危機後、金大中政権によるIT産業振興によって経済復興を果たしました。19世紀のイギリスにおいては、世界の情報をロンドンに集中・コントロールすることで高度な経済発展を遂げました。さらに、13世紀に世界人口の半数を統一したモンゴル帝国のチンギスハン。短期間で広い国土を統一できた一つの要因は、情報戦に強かったからだと言われております。広い草原で馬を早く走らせることで素早い情報収集が可能だったのです。
中国でインターネット規制をしている理由は、政治体制を維持するためだけではありません。中国国民が一斉に動画を見てしまうとインターネット回線がパンクしてしまう等の理由もあります。いずれにせよ、中国のインターネット規制は、経済発展においてさらに重い足枷になってくるでしょう。私の仕事にも影響するので、早めの規制緩和を行って頂きたいものです。
以上です。