皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ中国拠点の小林 祐介です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【2026年9月適用】外国人株主の配当免税撤廃(20%課税化)が日系企業の利益還流に与える影響と対策」についてお話していこうと思います。

外国人株主の配当免税撤廃とは?

外国人株主の配当免税撤廃とは、外国籍の個人が中国の外資系企業から受け取る配当金に対する免税措置がなくなり、2026年9月から新たに20%の個人所得税が課される制度変更です。32年続いた外資優遇が終了し、課税強化へ舵が切られました。

中国財政部と国家税務総局は2026年9月1日、「外国籍個人の配当所得に関する個人所得税政策についての公告」(財政部・税務総局公告2026年第27号)を突如発表し、即日施行しました。

この動きは唐突に見えますが、中国当局による税務管理の厳格化という一連の流れに沿ったものです。優遇税制の整理と税収確保に向けた動きが加速しており、今回の配当課税も「税制の公平性」を名目とした外資優遇の見直しの一環です。

日系ビジネスへの影響とは?

配当免税撤廃による影響とは、個人出資者やオーナー社長の配当手取り額が直接的に2割減少することで、日本への利益還流や現地での資金計画に深刻な悪影響を及ぼすことです。

資金効率とキャッシュフローの悪化

配当金に20%の税金が課されることで、日本本社や経営者個人へ還流できるキャッシュが目減りします。資金効率が低下することで、再投資の原資確保にも影響が出ます。

業種別・規模別の影響

上場企業のように法人(日本本社)が出資している場合、日中租税条約に基づく軽減税率(条件を満たせば5%または10%)が適用されるため、本公告の直接的な影響は限定的です。しかし、製造業の下請けやサービス業など、経営者個人が直接出資して設立した日系中小企業にとっては、手取り額が激減するクリティカルな問題となります。

コンプライアンスリスクの増大

中国の税務当局は、高所得者やクロスボーダー資産に対する監視ネットワークを強化しています。配当課税を回避しようと、不透明な資金移動や根拠のない経費計上を行えば、重加算税やブラックリスト入りのリスクが高まります。

企業が取るべき具体的対応とは?

企業が取るべき対応とは、既存の配当計画を直ちに見直し、役員報酬とのバランス調整や、法人出資(ホールディングス化)への持分移行など、合法的な税務ストラクチャーの再構築を行うことです。

1. 配当と役員報酬の最適化

配当に20%課税される現状を踏まえ、利益を配当として還元するのではなく、中国現地法人での役員報酬として支給する割合を見直す必要があります。中国の個人所得税率(累進課税)と日本での納税義務を総合的にシミュレーションし、最もキャッシュアウトの少ない比率を算出します。

2. 出資構造の法人化(持分譲渡の検討)

個人出資から、日本法人または香港等の統括会社を通じた法人出資への切り替えを検討します。法人出資であれば日中租税条約の恩恵を受けられ、配当源泉税を10%(要件を満たせば5%)に抑えることが可能です。ただし、持分譲渡時には譲渡益課税が発生するため、事前のバリュエーション評価が必要です。

3. 現地での再投資への転換

無理に日本へ資金を還流させず、中国国内での設備投資や新規事業へ再投資する選択肢です。一定の条件を満たせば、利益の直接再投資に対する源泉所得税の繰延納付制度などを活用できる可能性があります。

まとめ

過去の「外資優遇」に依存したビジネスモデルから脱却し、最新の法改正に追従した緻密なコンプライアンス体制と資金管理ストラクチャーを構築することが急務です。

影響額のシミュレーションや、持分構造の見直し、税務局への折衝など、複雑な実務対応が求められます。中国ビジネスにおける最新の税務対応、持分譲渡の詳細や申請支援は、ぜひTCG(東京コンサルティンググループ)へお問い合わせください。

皆様からのご連絡をお待ちしております。

東京コンサルティングファーム 中国拠点
小林 祐介