【インドネシア】移転価格税制コンサルティング

移転価格税制とは?

移転価格税制をご存知でしょうか。移転価格税制は海外でビジネスをする企業にとっては抑えておくべき重要な税制です。
移転価格(Transfer Pricing)は企業間の取引価格のことを指します。具体的には日本にある親会社と海外(本件ではインドネシア)にある子会社といった関係会社との取引価格のことですね。親会社と子会社との取引は資産(原材料等)の売買や無形商材、役務の提供などがあげられます。

グローバル化が加速し海外進出を果たす企業も多くなる背景の中、移転価格と親会社と第三者(顧客等)との取引価格を異なる金額で設定し、国際間での利益移動が発生するケースが多くなりました。このような利益の国外への移転を防止するために、取引の親会社を、第三者が行う取引価格(独立間企業価格と呼びます)に計算し直すことで適正な国際課税を図ることを目的とした制度が移転価格税制です。つまり、企業グループ内の取引価格がグループ企業でない第三者との取引価格(独立企業価格)と異なる場合に、独立企業価格で取引したものと見なして課税する制度と言い換えることができます。

(引用:TCG出版「第二版インドネシアの投資・M&A・会社法・会計税務・労務」)

インドネシア移転価格税制の特徴とは?

移転価格税制の特徴を簡単に表すと下記の3点に集約されるか思います。

・各国課税当局(税務署)による企業所得の取り合いを円滑にするためのもの

・移転価格に関する更生を受けた場合、二重課税が発生する

・意図的か否かに関わらず、移転価格が適正でなければ、更生を受ける可能性が高い

 

インドネシアにおいて移転価格が適用される国外関連会社は、「特定の関連者」として以下のように定義されています。

・納税者が他の納税者の株式を直接的又は間接的に 25%以上を保有している場合、複数 かそれ以上の納税者の株式の 25%以上保有を通じた納税者間の関係、又は後述する複 数かそれ以上の納税者間の関係

・納税者が他の納税者を支配しており、直接的又は間接的を問わず、複数かそれ以上の納 税者が同一支配下にある場合

・上下もしくは横の関係で一親等の血縁関係又は姻戚関係の家族関係がある場

この「特定の関連者」に合致する納税者に対し、移転価格文書、すなわちマスターファイル、ローカルファイル及び国別報告書(CbCR)の作成を義務付けています。

また、詳細な移転価格の開示が法人税申告書において、以下の内容を開示することも要求されています。

・関連会社取引の内容と金額

・それらの取引に適用された移転価格決定方法とその方法を選択した理論的説明

・会社が移転価格文書を準備しているかどうか

国際取引関連の諸税制の中でも、特に移転価格税制が注目される理由として、取引対象の範囲が広く、また、調査で問題となる更生額の金額が多額となり、追加での追徴や、罰金が企業にとって大きな問題となる可能性が高い点があげられます。

また、移転価格文書を作成するにあたり、多大な労力、費用、時間を要する必要があるため、事前の準備が必要不可欠となっています。

移転価格文書

ンドネシアにおける移転価格税制について、とりわけマスターファイル、ローカルファイル、告別報告書の作成に該当する「特定条件」について記載致します。

①    国別報告書(Country by Country Report)
②    マスターファイル(Master File)
③    ローカルファイル(Local File)

①    国別報告書(Country by Country Report)

企業グループの国別での財務情報、事業活動等を記載。

<条件>
企業グループの連結総収入金額が11兆IDRを超えている場合は、国別報告書を作成する義務が発生。
使用言語はインドネシア語、対象初年度は2016年から。

<期限>
会計年度終了から12か月内に準備、申告書の別紙として提出。

<罰則>
100万IDRおよび追徴税200%以下のペナルティー、また犯罪に該当する場合には12か月以下の懲役。

②    マスターファイル(Master File)

インドネシア語で作成。対象初年度は2016年。

<条件>
単年度において特定の関連者との取引を行っていたうえで、以下のいずれかの条件に当てはまる場合、マスターファイルの作成義務が生じる。
①関連者が当該企業より低い税率(25%)の税務管轄に所在する場合
②前年度の収入金額が500億IDRを超えている場合
③前年度の関連者間有形資産売買取引額が200億IDRを超えている場合
④前年度の関連者間無形資産取引金額が50億IDRを超えている場合

<期限>
マスターファイルに提出の義務はないが、申告書の別紙において作成日を報告しなければならない。
当該書類の準備期限は会計年度終了から4か月以内。

<罰則>
上記別紙の不備等による罰則は100万IDRおよび50%以下のペナルティー。
また、税務署からマスターファイル提出を求められた際、適時に提出できない場合は、税務調査が行われ、追徴税プラス月2%から最大48%の遅延利息が発生する。

③    ローカルファイル(Local File)

対象初年度、使用言語、条件、罰則は上記のマスターファイルと同様。遅れて提出された場合は認められない可能性がある。

インドネシア移転価格の最新情報※都度更新

インドネシアにおける移転価格文書(Transfer Pricing Document/TPD)に関する施策はOECD/G20 BEPS Action 13(経済協力開発機構および、税源浸食と利益移転の行動計画13)に準拠しており、マスターファイル、ローカルファイル、および国別報告書(Country by Country Report/CbCR)の3種の文書で構成される事はご説明させて頂きました。

これらは2016年12月、財務大臣規則第23号/ PMK.03 / 2016(PMK-213)により法制化され、2017年12月29日に国税総局(DGT)は法令PER-29 / PJ / 2017(PER-29)を発行しCbCRに関する詳細な規定が定められました。

CbCRは、グループ企業全体として各国ごとの所得や経済活動、納税額の分布や割合に関する必要な情報を関連するすべての国の政府に提供するものとされています。これは親会社及びCbCRに含まれるすべてのグループ企業に対して求められており、グループ企業を代表して各国でCbCRを作成・提出する必要があります。
そしてこのCbCRは各グループ企業が所属する各国間で毎年自動的に共有されることになります(インドネシアは2017年1月26日、OECDのCbCRの交換に関する合意「Multilateral Competent Authority Agreement」に署名している)。

PMK-213は、CbCRの作成義務は一般的に親会社にあると規定しています。親会社の属する国がCbCRをインドネシアに共有できない場合には、インドネシアの子会社からDGTに対しCbCRを提出する必要があります。

移転価格コンサルティングはTCGにお任せください!

移転価格の文書化義務の対象は一定額以上の売上収益がある法人に限定されていますが、事前に様々な準備が必要となると考えられます。弊社では、他国で作成したことのある国別報告書、ローカルファイルやマスターファイルを基礎とし、現在の時点で土台を作成しておくことが可能です。

また、Local FileやMaster Fileの作成も考慮されていましたら、

・国別報告書の作成

・ローカルファイル(Local File)の作成

・マスターファイル(Master File)の作成

といった形でお見積りを提出させて頂くことも可能でございます。
(恐れ入りますが、お見積りには多少お時間いただくかと存じます。)

また、より詳細な情報をご希望の場合は初回に関しては無料でご対応させて頂きますので、是非お問い合わせいただければ幸いです。
以上、その他インドネシアビジネスにおいてお困りごと等ございましたら遠慮なくご連絡ください。

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