インドネシアの株式について

法務

 

こんにちは、PT. Tokyo Consulting(東京コンサルティンググループ)の内野です。

 

今回は「インドネシアの株式」についてです。

 

インドネシアの株式について

株式とは株主としての地位を証する書面のことで、会社が株主に対して一定の証書を発行します(51条)。株式には保有者の名前を記載し(48条)、インドネシアルピア建で額面金額を記載(49条2項)する記名式、額面株式です。ただし、会社が株主に対して発行する株式の保有者であることの証書は形式について特に指定があるわけではありませんので、これは必ずしも株券の形式をとる必要はありません。

 

会社は定款で定めた場合には複数の種類株式を発行することができます(53条1項)。種類株式について下記のとおり例示しています(同条4項)。

・議決権株式または無議決権株式

・取締役または監査役の候補者を立てる権利を有する株式

・一定期間経過後に消却される株式、または他の種類の株式に転換される株式

・配当(累積的または非累積的)を他の株主より優先して受ける権利を有する株式

・他の種類の株式に優先して清算時の残余財産を受領する権利を有する株式

 

同条に記載された種類株式は例示として認識されており、上記以外の種類株式や、上記の組み合わせも理論的に可能と解されます。ただし、種類株式自体が実務上少ないことから、判例も含めて実際に種類株式の発行が可能かどうかについては弁護士等の意見を聞くなど、最新の実務上の取扱を確認することが必要です。

 

ただしインドネシアには、ムシャワラ(インドネシア語で話し合い)の精神が会社法に定められております。そのため、会社法上の規定に則り過半数の決議がされていたとしても、例えば合弁会社のパートナーが承諾に応じなかった場合、無効となる場合があります。種類株決議よりも、このムシャワラ(話し合い)による決議の全会一致の精神が優先されることがあることを理解しておく必要があります。

 

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東京コンサルティングファーム インドネシア拠点
内野能活

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