モロッコはアフリカ大陸の北西に位置し、地中海入り口のジブラルタル海峡に面しており、EUとアフリカを結ぶ海の要所であり、隣岸のスペインとは14kmしか離れておりません。東京コンサルティンググループは、世界26カ国44拠点を展開する専門家集団です。会計・税務・法務・労務の専門家として、貴社のモロッコ進出を支援し、モロッコビジネスの成功を全面的にサポートします!
モロッコ進出のメリットは、豊富な資源にあります。世界のリン鉱石の75%の埋蔵量を保有しており、2014年には採掘量世界第2位となっています。また、コバルト鉱など他の鉱物資源の産出量についても、世界トップクラスの水準にあります。さらに、地中海だけでなく大西洋にも面していることから、漁業はもちろんのこと海洋における天然資源にも注目が集まっています。
モロッコ進出の最も大きな魅力は、購買力あるマーケットだと言えます。アフリカから見るとEUへの貿易窓口として、非常に重要な土地となります。特にモロッコ国内の製造業は、元宗主国であるフランスやスペインなど、対EUが輸出全体の約60%を占めています。 またEUから見るとアフリカ進出の第一歩として大切な要所になります。モロッコは一人当たりのGDPが約3,000ドルとされ、消費市場として期待されています。豊富な資源と先述の立地から、アフリカ市場への玄関として、EUから相次いで企業が進出しています。 モロッコ進出は、先進国の連なるEU市場と、これから発展していくアフリカ市場の同時進出を狙うことができます。
モロッコ政府は外資誘致に積極的に取り組んでおり、様々な進出インセンティブを用意しています。例えば、外国投資家は一部の例外を除いて、ほぼ国内投資家と同等に投資することができます。 また、6つの奨励業種を定め、それに基づいてフリーゾーン(税制優遇ゾーン)が整備されました。フリーゾーンでは地域にもよりますが、以下のような優遇措置を受けることができます。(一部抜粋)
フリーゾーンには地域により奨励業種が異なりますので、進出する業種と地域のすり合わせが必要になります。
モロッコの主なフリーゾーンは以下の通りです。(一部抜粋)
が多数進出し、大きな成果を生んでいます。
モロッコ進出の際の注意点は、道路や電力施設の不足が挙げられます。世界銀行が発表する「Doing Business 2017」によると、総合で68位にランクインし、アフリカにおいて比較的高い水準にあります。
しかし勢いのある経済成長に対して、インフラ整備が間に合っていないというのが現状です。例えばモロッコの電力需要は、1年当たり5−8%増加しています。しかし、エネルギーの95%を輸入に頼っているのが現状です。
モロッコのGDPは約20%が農業で構成され、就労人口の約40%が従事しています。しかし、この内の9割が灌漑設備無しで運用され、天候(豪雨・干ばつ)によって不規則に変動します。また、先述の通りエネルギーの95%を輸入に頼っており、為替や資源価格の変動により、大きな影響を受けます。
このため財政赤字と経常赤字の「双子の赤字」に悩まされています。財政赤字の規模は2014年に449億ディルハム、対GDP比は4.8%と高い水準にあり、喫緊の課題と言えます。モロッコに進出する企業はこうしたマクロ的な経済の不確実性を認知しておく必要があります。
モロッコは、独立以前はフランスの植民地でした。フランスは確立された法典を持ち、この影響を受けて、モロッコの法制度は少なくとも法文上は比較的整備されています。しかし運用の実態は紛争解決や手続きなど、煩雑で時間のかかるものが多いと言われています。また、教育システムが確立されておらず、識字率が未だ7割程度など、質の良い労働者が少ないとされております。
近年のモロッコは、インフラ関連の企業が進出していますが、モロッコ設備・運輸省が行う公共事業の入札は、国内事業者が優先されます。また、農地の購入が禁止されており、国営リン鉱石公社(OCP)が独占するリン鉱石の開発・採掘等への参入・資本参加が禁止されるなど、進出業態によってはメリットを受けられない参入障壁が存在します。