ベトナム進出の具体的な実務手順⑤

こんにちは、ホーチミン駐在員の嶋です。
前回に引き続きベトナムでの会社設立の手順について書きたいと思います。今回は、ベトナムでの申請書類の準備です。様々な書類を準備する必要がありますが、まずは申請書類から見ていきます。
1. 投資証明書申請書
申請用紙に親会社の情報、新設会社の現地法人社長の情報、新設会社の企業名・事業分野・住所・資本金の額などの会社設立に必要なあらゆる情報を記載します。通常は、設立予定地の計画投資局もしくは各管理委員会より入手します。
下記が主な記載内容となります。
【投資家の情報】
親会社の企業名(英語名で記入)
登記簿謄本の会社法人等番号、発給日、発給場所
【親会社代表者の情報】
氏名
パスポートの番号、発給日、発給場所
現住所及び戸籍に登録されている住所
電話番号
ファックス番号
Eメールアドレス
【新会社の情報】
会社名(ベトナム語、英語、略称、ベトナム語は必須)
本社所在地
支店/駐在事務所の住所(もしあれば)
企業形態(一人・二人有限会社、株式会社他)
業種(業種コードを記載)
【新会社代表者の情報】
氏名
パスポートの番号、発給日、発給場所
現住所及び戸籍に登録されている住所
電話番号
ファックス番号
Eメールアドレス
【新会社の資本金の情報】
払込資本金の金額(一年以内に振り込む必要あり)
授権資本金の金額
支払い通貨、支払い方法
【その他情報】
賃貸予定のオフィスもしくは工場の敷地面積(平米で記載)
事業の目的と規模
活動期間
2. 新設会社の定款ドラフト
定款の内容は、ベトナムの法律に反しなければ、何でも記載することができます。ただし、定款には必ず記載しなくてはならない絶対的記載事項というものがあり、有限会社の定款は下記が絶対的記載事項となります(統一企業法22条)。

3. 新設会社の代表取締役及び役員リスト
一人有限会社の場合は、委任代表者リストを作成し、二人有限会社の場合は、会社出資者リストを作成します。株式会社の場合は、会社創立株主リストを作成します。
それぞれの記載内容は、下記の通りとなります。
【委任者代表者リスト】
・委任代表者の氏名
・生年月日
・性別
・国籍
・民族
・現在地
・常駐の戸籍登録地
・パスポートの発給番号
・資本総額
・資本の拠出時期
・署名
【会社出資者リスト】
・出資者の氏名
・住所
・設立決定書
・資本総額
・資本拠出方法
・資本の拠出時期
・署名
【会社創立株主リスト】
・株主の氏名
・住所
・設立決定書
・発行株式数
・一株当たりの価値
・株式の種類
4. 当該案件の新設会社説明及び企業可能性調査
本案件に関する事業の説明書と本進出に関しての経済的・技術的な効果や将来の事業計画を示すフィージビリティ・スタディレポートです。形式的で簡略的なもので良いとされており、求められないことも多いです。
5. 投資家の財務能力証明書
親会社が提出する決算書や登記簿謄本が適正であることを親会社代表者が証明する書類です。
6. 新設会社に関する取締役会議事録及び決議書
親会社がベトナム子会社を設立することを決定した取締役会の議事録となります。通常は、投資の決定したこと、ベトナム法人の代表者の氏名及びその他情報、親会社代表者のサインを記入します。
7. 不動産賃貸契約書
不動産賃貸契約書を申請時に提出します。ライセンスの取得前にオフィス、または工場用地を確定させる必要があります。よって、ライセンス取得が長引けば、空家賃が発生することになります。なお、契約が六カ月以上で、物件のオウナーが不動産賃貸業者ではない場合、賃貸契約書の認証が必要となります。
8. 関係者のパスポート
親会社の代表取締役、ベトナム現地法人の代表取締役及び取締役のパスポートが必要になります。合わせて認証する必要があります。

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